- 2019-06-27 (Thu)14:55
- 近藤雅世
- マーケット全般
2019年5月30日まで1287ドルと1200ドル台だったNY金価格が5月31日突然1300ドルを超え、6月21日には1400ドル台も超えてしまった。この急騰の裏にあるのは、米国の利下げのニュースだけである。敢えて言えばイラン近辺に生じたホルムズ海峡におけるタンカーへの攻撃とか、無人偵察機の撃墜等少しきな臭い動きもあり、トランプ大統領はイラン攻撃の15分前に命令を撤回したという騒動もあり、その後イランに追加経済封鎖を行ったという地政学的リスクらしきものもあるが、戦争が起きたわけでもないのに、100ドル以上の値上がりは不可思議に想える。さらに米国における利下げは、米国株価を高め、債券価格も上昇(金利は下落)している。金価格も上昇し、三つのアセットクラスが同じ動きで高くなっている。
利下げは株価を上げるのは自明であり、債券価格の上昇も当然のことであるが、なぜかそれらと一緒に安全資産と言われる金価格が上昇したことはすっきりしないものがある。
敢えて言えばドル安である。金利が低下すればドルは下がる。しかし、円はドルに対してそれほど上がっていない。ドルインデックスは確かに、5月30日の98.14から6月24日は95.98に▲2.16、▲2.2%下がっているが、金は同じ期間に1287.1ドルから1414.3ドルまで+127.20ドル、+9.9%上昇している。ドル安に対して金高は4倍以上の反応である。
ファンドがドル資産を売って金を買ったという可能性はある。すでにファンドは金を買い始めていた。金の売り残は減少しつつあった。
こうした理屈のつかない価格の変動は、その反動を恐れる必要があると思われる。群集心理で我も我もと買い、利益が出たところで誰かがそっと抜け出すと、慌てて買いを売り閉じる動きが加速する可能性がある。
無論、中東で地政学的リスクに火がついたり、トランプ大統領と習近平首相が足を蹴飛ばし合ったなどというハプニングがあれば、話は別である。
いずれにせよ7月1日のTOCOM SQUARE TVで上記を直近の数値で固めたグラフを用いて解説したい。
利下げは株価を上げるのは自明であり、債券価格の上昇も当然のことであるが、なぜかそれらと一緒に安全資産と言われる金価格が上昇したことはすっきりしないものがある。
敢えて言えばドル安である。金利が低下すればドルは下がる。しかし、円はドルに対してそれほど上がっていない。ドルインデックスは確かに、5月30日の98.14から6月24日は95.98に▲2.16、▲2.2%下がっているが、金は同じ期間に1287.1ドルから1414.3ドルまで+127.20ドル、+9.9%上昇している。ドル安に対して金高は4倍以上の反応である。
ファンドがドル資産を売って金を買ったという可能性はある。すでにファンドは金を買い始めていた。金の売り残は減少しつつあった。
こうした理屈のつかない価格の変動は、その反動を恐れる必要があると思われる。群集心理で我も我もと買い、利益が出たところで誰かがそっと抜け出すと、慌てて買いを売り閉じる動きが加速する可能性がある。
無論、中東で地政学的リスクに火がついたり、トランプ大統領と習近平首相が足を蹴飛ばし合ったなどというハプニングがあれば、話は別である。
いずれにせよ7月1日のTOCOM SQUARE TVで上記を直近の数値で固めたグラフを用いて解説したい。
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