商品相場専門のアナリストが、独自の視点で最新の相場動向を分析! 先物投資で利益を上げるためのコツとファンダメンタルが学べます。株式、為替以外をポートフォリオに!と考えている投資家にもおすすめです。

Home > > 金価格千ドル超える

金価格千ドル超える

  • 2009-09-09 (Wed)17:32
  • 近藤雅世
米国の連休明けの8日ニューヨーク金価格は1009.7ドルを付けた。三度目の千ドル超えであるが、今回はその実感が沸かない。東京市場では、今日の金価格は小幅安となった。9月3日から先取りして東京金価格は2848円から3000円まで5.3%、152円上昇していたので、千ドル超えも東京では手仕舞い売りを誘ったようである。金価格が上昇した要因としては、ドル安が考えられる。ユーロドルは、8日12月以来の1.45ドル/ユーロを超えた。ユーロは依然として金利が1%であり、ゼロ%のドルよりは金利が高い。ユーロ買いのドル売りが行われ、ドル売りは金買いにつながったということであろう。一年前の9月のリーマンブラザースショックのような、ドルが売られる特別な理由は、今のところ見当たらないが、ドルは9月に安くなることが多いという。米ドルの貿易加重指数では、1970年以来39回の9月の平均為替は8月よりも0.66%ドル安になっているという。こうした季節要因は株価にも金にもある。米国株価は9月に安くなる傾向があるというジンクスがあるようだ。また金については9月は過去20年間で15年間は月末の価格が月初の価格を上回っていた。その理由はいくつか考えられる。
1)インドでモンスーン季節が終わり、結婚シーズンやヒンズー教の祭典Diwaliの時節となる。
2)クリスマス商戦に備え世界の宝飾メーカーが金宝飾品の制作を始めるために金地金の仕入れの季節となる。
3)イスラム世界では、ラマダンとなり、9月は断食の季節である。ラマダン明けにはイード・アル・フィトルという祭りが行われる。今年の場合は9月20日がラマダン明けである。
4)中国では10月1日から国慶節のお祝いがある。などである。
今年はインドの需要が極端に悪い。2008年712トン輸入したインドは今年は半減となる見込みである。価格が高いと買わないが、逆に市場では秋の結婚シーズンや祭礼の季節になれば、これまで我慢していた分だけ需要が出るのではないかという期待感がある。
ワールドゴールドカンシルによれば、インドの銀行預金が22%増加しているという。従ってインドルピーがドルに対して高くなれば、結婚シーズンやDiwaliの祭礼季節に、現金を引き出して金地金を買う行動に出て、これまで金地金の購入が少なかったインドでは後半でその分を取り返すのではないかと期待している。また、中国は第2四半期の金の需要は宝飾品を中心として6%増となったが、年後半の需要も期待できるとしている。

こうした理由で金が買われたようであるが、昨年と違って金融不安のような差し迫った危機感は今回は無い。インフレヘッジの買いは前から言われており、いずれインフレになることは既定の事実化しているが、未だ先の話である。恐らく来年の後半には景気が実際に回復してくると思われ、そうなれば米国の財政赤字や世界中で景気回復のために増刷された紙幣が再び商品バブルを生み、インフレになれば預金金利が低下しているので、資産家はインフレヘッジのために商品を買うことになるだろう。従って中長期的には金価格は上がると思われる。しかし、今の千ドルが未だ安いとはこれまでの経緯を知っているだけになかなか手が出ない感覚もある。

Home > > 金価格千ドル超える

キーワードで検索
リンク
Feeds
1. 免責事項
  • 掲載される情報は株式会社コモディティーインテリジェンス(以下「COMMi」という)が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
  • 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。
  • 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
  • COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
  • 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
  • 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を保証するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
  • COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。
  • 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。
  • 以上の点をご了承の上、ご利用ください。
2. 商品先物取引の重要事項
商品先物取引の重要事項はこちら >>
3. ディスクローズについて
当社のディスクローズ資料は当社本支店および日本商品先物取引協会(本部・支部またはホームページ)で閲覧できます。
日本商品先物取引協会ホームページ >> [情報開示]
サンワード貿易ホームページ ディスクローズ情報>>
サンワード貿易お客様相談室
<北海道>電話:0120-57-5311  /  <関東>電話:0120-76-5311  /  <関西>電話:0120-57-5311

Page Top