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ビットコインについて(その2)

<供 仮想通貨とその仕組みの利用による新しい時代の幕開け
 ビットコインの後継者 
ビットコインそのものは、2,100万枚の発行を限度としてこの世から消え去る運命にあるが、コイン発行の後継者と、ビットコインの残した仕組みは、連綿と受け継がれることになる。
ビットコインのコイン発行の後継者は、2,000種類を超えるといわれる新たな名前のコイン群で、マネーゲームの継続と、送金手数料不要な新たな金融システムとして利用されるだろう。それらのコインの創設者はコインが売れて価格が上昇すればするほど財産が増えることになる。それはいち早くそれらのコインを買った者も同様である。日本デジタルマネー協会の大石哲之理事によれば、第二のビットコインを狙う動きが活発化しているという。17年年初から仮想通貨に資金流入が続き、不動産登記などの契約情報もやり取りできるイーサリアムや一部の国内金融機関が送金手段として活用を検討するリップルなどの価格は数十倍に急騰した。ドルベースで時価総額4位のネムの円建て価格は年初から最大で96倍に上昇した。

ビットコインの利便性と銀行
ビットコインが革命的であったのは、送金のしやすさと資金のやり取りの簡便性にある。ことにATMが配備されていない発展途上国における商品やサービスの対価の支払いには、スマホなどを利用して支払いをやり取りできれば便利である。三菱UFJ銀行のコインも口座にあるお金をアプリ上でコインに“両替”するだけで、相対でやりとりできる。飲み会のワリカン払いや、個人の小口のお金の貸し借りなどでの利用を想定している。またビットコインの送金には送金手数料がかからないことも利点である。ビットコインの口座から海外の口座に送金するだけで済む。それがマネーロンダリングの温床になるという危惧を抱かせている。金融界は既に送金手数料収入が減ることを受け入れた上で、ビットコインを自ら利用しようとしている。みずほフィナンシャルグループは日本IBMと共同で仮想通貨「みずほマネー」を開発。三井住友銀行も16年9月、行員が開発した「SMFGコイン」を作っている。
こうした一般金融機関のみならず、各国の中央銀行も仮想通貨を検討している。イメージとしては携帯電話でタッチすれば決済できるお財布携帯のようなものである。日銀が発行するわけだから、デジタル化されていても国の信用が裏付けであることに変わりはない。ビットコインなど「無国籍」の仮想通貨とは性質が大きく異なる。もっとも、デジタル通貨を実際に導入するには、どのように民間金融機関を通じて供給するのかなど今後詰めるべき論点は多い。しかし、世界の中央銀行が「法定デジタル通貨」の発行に向けて、実証段階に入り始めている。
世界最古の中央銀行スウェーデンのリスクバンクは17年3月中旬、通貨クローナのデジタル版「eクローナ」の導入に向けた3段階の工程表を発表した。まず17年11月までにデジタル通貨の理論的な裏付けについて検証した報告書をまとめ、年末までに次の段階に進むかどうかを判断する。ノルウェーなど北欧の中銀とも連携して作業を進める。第2段階では技術的な要素や規制について、より実践的な検討に入り、2018年末をめどに「eクローナ」の発行の是非を判断する。導入を決めた場合には、最後の実証段階に進み、発行の準備作業を始める。デジタル通貨発行後も現金は残す方向だ。スウェーデンでは近年、紙幣や硬貨の現金流通量が大幅に減少している。17年2月末時点の紙幣の流通残高は533億クローナ(約6400億円)と、この10年で半減。その代りに大手金融機関が協力する「スウィッシュ」と呼ばれるモバイル決済が普及し、国民の半数以上が利用するようになっている。こうした急速な変化が進むなか、金融システムの安定には中銀が保証する安全な、電子的な決済手段の必要性が検討課題となっていた。

香港金融管理局も17年5月上旬、香港ドルの紙幣を発行するHSBCなどの主要金融機関3行と、デジタル通貨の導入の可能性について検討を始めたことを明らかにした。銀行間取引や企業間の決済が目的で、年末までに初期の実証作業を終える予定だ。

カナダ中央銀行もすでにカナダドルのデジタル通貨「CADコイン」を銀行間取引に用いる実証実験を始めている。

日本銀行は16年11月に東大と共同で開いた金融技術の研究会において「中銀によるデジタル通貨発行の可能性」が取り上げられた。一般的な電子マネーは運営する民間企業の経営悪化などの影響を受ける恐れも否定しきれず、中銀が発行するデジタル通貨の方が信用度は高くなる。デジタル通貨なら発行量を素早く精密に調整できるので、金融政策の柔軟度も高まるとされる。デジタルデータを操作して通貨の額面価値を減らし、マイナス金利を適用したような状態にすることも技術的には可能とされる。一方、仮に現金を全廃してデジタル通貨に一本化したとすると、「誰が何をいつ売買した」という決済情報をすべて中銀に知られてしまうといった問題点も指摘されている。

 ビットコイン技術の産業等への応用
OKIは海外、特に中国向けにビットコインを現地通貨と両替できるATMを作り輸出するという。ATMに現金を入れるタイプだと管理がたいへんなので、ATM内で資金を還流させる方式だというが、日本と違ってセキュリティーの問題があるだろう。盗難対策として盗もうとするとスプレーで紙幣に色を付けるという。

ビジネスでは現実的な取り組みが進む。積水ハウスはブロックチェーン技術を顧客の情報管理に使う。仮想通貨の取引所を運営するビットフライヤーと提携、2017年度中に信頼性を高めた賃貸住宅の管理システムを構築する。ブロックチェーンに個人情報を蓄積すれば、支払履歴などを即座に確認できる。

みずほフィナンシャルグループは日本IBMと17年6月にブロックチェーンを活用した実貿易取引を実施する。日本と海外の顧客間の貿易取引に伴う信用状を電子的に受け渡しする。輸出者や輸入者、銀行などの関係者間で電子的に共有されるため、書類作成や郵送手続きを簡素にできる。関係者が最新のステータスを共有できるので貿易取引に要する時間の短縮や事務コストの削減も見込める。

ブロックチェーンを採用すれば、大規模システムで全体のデータを集中管理する必要がなくなる。既存のシステム会社には影響が出ないだろうか。しかし、NTTデータは、「従来書面で管理していた貿易関連の信用状を電子化しブロックチェーンで管理するなど新しいシステムの需要が生まれる」(広報担当者)とみている。ブロックチェーンの活用はまだ黎明(れいめい)期にある。まずは信頼性や処理速度を高め、道具としての使い勝手を向上させる必要がある。

企業でない例では、女性アイドル、佐野真(ま)彩(や)さんは自分だけの仮想通貨「SANOMAYA」を発行している。ブロックチェーン技術を持つテックビューロ(大阪市)が作った仕組みで、アイドルグループの構成員それぞれが仮想通貨を発行し、視聴者が売買して人気が高いと価格も上がる。また、自治体にも独自通貨発行の動きが広がる。例えば茨城県かすみがうら市はスマホで受け渡しができる仮想通貨「地域ポイント」を使った地方創生に乗り出す。

さらに仮想通貨の話ではないが、仮想国家という例もある。オランダに本部を置くサイバー国家ビットネーション。「国民」のデータはブロックチェーンに記録し正当性を担保する。ビットネーションの市民権を得て活動する人は世界で千人を超えている。ビットネーションはエストニア政府と組み、ブロックチェーンを使った電子公証制度を運用している。婚姻届、出生届、契約書をブロックチェーンで管理している。ただし法的な効力はない。スペイン出身のマイエル・デ・ボルニオル氏とエドゥルネ・ロルナズ氏の結婚式は一風変わっていた。英ロンドンから世界に向けてネット配信するだけでなく、その場で結婚契約書を届け出た様子も公開した。届け出た先はビットネーションである。

今後も様々な利用方法が検討されていくものと思われ、ビットコインの発明者ナカモトサトシ氏はノーベル経済学賞にノミネートされている。

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