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OPEC減産で原油価格急落の怪

先週5月25日OPEC総会で減産決議がなされたとき、価格は暴落した。
OPEC総会に集まった各国の石油大臣は、完璧な合意形成をみて、予定された6か月より3か月長い9ヵ月の減産合意ができたとこれを祝っていたところ、その報道がなされた直後の市場価格が▲5%下落して51ドルになったことをセルフォンで見た大臣は当惑し「とんだ災難だ」と叫んだ。

イランの石油大臣Bijan Zanganehは、「20年もの間OPEC総会に出席しているが、これほど完璧に100%合意が形成されたのは初めてだ」とのべ、「ふつうならこの減産決議で価格が上昇するには十分なはずだ。どうして下落したのか信じられないと驚いていた。

ある石油コンサルタントは、OPECは減産を延長することをあまりにも早く、何度も事前に言い過ぎたと言う。また、市場は欲張りで、9ヵ月ではなく、12ヵ月の減産延長を期待しており、2018年まで減産が行われることを望んでいたようだという。

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市場は常にサプライズを求めている。予想外のことが起きれば価格は大きく動くが、今回のように既に織り込み済みのことが確認されただけでは、買われていた建玉が売り閉じられて暴落する。
OPECの減産もあまりに長く、多くの人が減産すると述べ過ぎていたのだろう。OPECの戦略としては、イランやリビア、ナイジェリア等が増産を求めており、なかなか決まりそうにないと事前に噂を流しておけば、この逆の現象が起きたことだろう。

このことは、6月14日の米国の利上げについても同じことが言える。米国金利が上がれば通常ドル高になる。しかし、余りに事前予想で利上げが確実視されれば、いざ本当に利上げがあった瞬間から買われていたドルは売られはじめ、円や金の価格は上がることになるだろう。

ただ、原油のチャートでわかるように、急落した直後には再び反発しているので、減産の効果はその後は出てくるものと思われる。金もまた然りであろう。

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