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フランス大統領選挙の行方

<フランス大統領選挙の下馬評>
4月23日に第1回目の投票を控えるフランス大統領選挙では、独立系候補で初出馬のエマニュエル・マクロン前経済・産業・デジタル相が、急速に支持率を伸ばし、マクロン旋風を巻き起こしている。極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン氏との一騎打ちの様相となってきた。最近の世論調査ではルペン氏27%、マクロン氏25%、フィヨン氏20%とマクロン氏がルペン氏に迫る勢いを見せている。フィヨン元首相は妻らの架空雇用による公金流用疑惑で支持率が落ちている。

<エリートマクロン>
 マクロン氏は神経学者の父親と医者の母親の家庭に産まれ、パリ第10大学に入学し、ヘーゲルに関する論文で学位を取得した。その後はパリ政治学院及び、エリート養成校の国立行政学院(ENA)を卒業。会計検査官としてキャリアをスタートし、30歳でロスチャイルド銀行に転じ、わずか2年で副社長格に上りつめた。12年に社会党オランド政権の大統領府副長官に就任。大統領のブレーンとして頭角を現し、14年には経済・産業・デジタル相として36歳の若さで入閣。また大恋愛の末24歳年上の妻がいることでも知られる。
 
 2016年4月に政治グループ「En Marche!(前進!)」を結成。社会党とたもとを分かち、大統領候補として選挙活動を始めた。今年6月の国民議会選挙で全577選挙区に候補者を擁立すべく準備を進めている。「マクロン旋風」の背景には、既存政党への強い不信感、極右勢力拡大への警戒感がある。支持者の多くは企業経営者や大学生、エリート層などいわゆる都市部のエスタブリッシュメントだ。若年層の失業率が25%に上ることもあり、既存政党への失望感は大きい。若者がネットを通じて政策を議論していく動きは欧州全体に広がっており、フランスも例外ではない。

<農業基盤のルペン>
 一方、ルペン氏は移民問題や農業政策で政府への不満を募らせる高齢者や失業者、下層労働者からまんべんなく支持を集め、地方で35%の支持を得ている。「EUから主権を取り戻せ」「移民排斥はフランスだけではない」と過激な言葉で訴え、移民排斥やEU離脱を問う国民投票の実施など、内向き・保護主義的な政策や、法人税率の恒久的な引き下げ、農村向けの補助金拡充など積極財政を主張する。
 
 目新しさと勢いで支持を拡大してきたマクロン氏に比べてルペン氏の支持は強固だ。特に農村部で支持を固めていることは、選挙戦で有利に働く。フランスはEU最大の農業国でEUの農業生産額の3割(668億ユーロ、約8.2兆円)を占める。農産品の輸出額は世界第2位を占めるが、多額の補助金で農業生産者を支えているのが実態で、農業基盤の弱体化が進んでいる。東欧・南欧から安価な農産物や加工品が流入し、ハンガリー産フォアグラの価格はフランス産の5分の1で、ワインやチーズ等の加工品もEUからの輸入に押されている。フランス農家の収入は以前に比べ3〜5割減少し、農民のEU離脱への思いは強い。
 
 浮動票が期待のマクロン氏が勝つか、農民を支持基盤とするルペン氏が勝つか経済停滞を背景に台頭するポピュリズムに対して、マクロン氏が新しい成長戦略を打ち出すことができるか。5月7日が見ものである。
 
 NY金価格は上昇している。米国の利上げが終わり、トランプ大統領が政治的失態を見せているためだ。史上最高値を付けていた米国株価は少し反落しているが、トランプ政策への期待が大きかった分だけ下げも大きいと思われ、株式市場から逃避した資金はとりあえずセーフヘブンの金に向かうだろう。欧州で異変があれば、金への資金移動はさらに拍車がかかるものと思われる。

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