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大統領選挙の総括・利上げ・OPEC総会

本日9日(日本時間)は米国大統領選挙である。これを読まれる頃には大勢は判明していることであろうが、万一トランプ大統領誕生となれば、金融界は大混乱に陥ると言われている。クリントンはウォール街や大都市、新しい産業代表で、トランプは農村や古い産業の代表、及び白人最後の代表だと言われている。なぜなら次回以降は白人が米国人口に占める割合が5割を切るからだという。いずれにせよ、結果は出ていることであろう。トランプは二酸化ガス排出制限を行うパリ協定に反対で、大統領になればパリ協定を認めないと述べている。大統領にその権限はないにもかかわらず、そうした発言は世界の良識を怯えさせている。Brexitと同じで「経済界の良識」はEUROから離脱したらイギリス経済はたいへんなことになるという警告に対して民衆は難民の流入で職が奪われるという恐怖が良識に打ち勝った。今回の米国大統領選挙も、政治の中で生きてきたプロを世界の金融経済界は支持しているにもかかわらず、職を失くした人や農民は「社会に対する不平不満」を基に反体制を標ぼうする機会となったのであろう。
さて、商品価格は大統領選挙が終われば、12月のFRBによる利上げが焦点となる。また原油の場合は11月30日のOPEC総会で減産が具体化されるかどうかが注目される。12月の利上げは69%があるという予想確率となっており、昨年の例で言えば、利上げに向かって『ドル高』になり、その分『金安』となるが、利上げが実行されると『株安』となり、利上げ時点が『金の底値』となって、『株価の下落』と『金価格の上昇』がシンクロすることになる。今年の初めから21%程金価格は上昇したが、利上げの実行とともに『ドルや反転下落』を始め、それまで売られていた新興国通貨等が『ドル安新興国通貨高』となり、それが『金高』の背景となったという昨年の展開の類似形になるのではなかろうかというのがいまの予想である。
一方11月30日OPEC総会までには2度の準備会議が開催される。先般開催された技術的会議においては、サウジアラビアとイランが鋭く対立し、イランは減産協定には参加しないという発言に、サウジアラビアは、イランが減産しないなら、サウジは1100万バレルから1200万バレル増産して世界を混乱に陥れると脅しをかけている。産油国の個別の減座目標は簡単には定まらないようである。


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