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原油価格はそろそろ天井

  • 2014-04-21 (Mon)20:55
  • 近藤雅世
  • 原油
中国は2013年のネット石油輸入量(原油+石油製品)が米国を抜いて世界一位となっている。(原油単独では米国が未だ世界一位)中国上海期貨交易所(商品先物市場)では、年内にも原油取引が上場される見込みである。上場されれば取引時間は昼間以外に米国市場と合わせて午後9時〜深夜2時半まで再び開かれるという。中国は2013年の世界の商品先物取引所・売上高ラン金具では前年の4位から3年ぶりに首位に浮上した。売上高が増加した要因として夜間取引が始まったことが挙げられる。中国の価格は欧米との連携が無かったため、価格が飛び跳ねることがあったが、こうして夜間取引が欧米市場と同時刻に開設されると世界の指標価格として連携が取れることになる。原油取引も中国時間帯に中国での取引価格が、インドのマルチ商品取引所、ドバイのマーカンタイル取引所を経てロンドンのブレント価格に引き継がれることになる。その間に東京市場のドバイ原油取引があるのだが、その影響力はどんどんかすんでいく。
 その原油価格であるが、NY原油価格は、105ドルを目指して7営業日上伸している。OPECのOil Market Report4月号によれば、2014年の世界の需要量は日量9115万バレルと前年比114万バレルの増加と予想している。一方非OPEC諸国の原油供給量は前年比153万バレル増の6151万バレルであるという。この双方の増加量を見ただけでも原油価格はそれほど上がらないのではないかと思ってしまう。それほど、カナダや米国、ブラジル等の非OPEC諸国からの原油供給の伸びは急激である。したがってOPEC諸国はその分減産しなければ、供給過剰になってしまう。幸い2014年3月のOPECの生産量は2961万バレルであり、上記の需要から非OPECの供給量を差し引いた数量が2964万バレルなのでほぼ需給は均衡していると言えるが、これはOPECの供給量がリビアがまだ前年同月比で▲116万バレルと回復していないせいである。ところが、リビアも徐々に生産量を回復しており、内乱が収まれば元に戻ると100万バレル以上の増産となる。更に、イラクでは新たな油田開発が行われており、年内に300万バレルもの生産能力が増加する。全ては作らないとしても、現状では数万バレルの需給ギャップであるところにこんなに大きな生産がでてきてはたまったものではない。こういうことを考えると原油価格は7営業日も上がるのはおかしいと思ってしまう。ウクライナは原油問題には関係なく、シリアや南スーダンは関係があるとしても小さい。中国の金融不安は需要に影響があるとしても供給面では関係ないだろう。そうなると105ドル以上の価格になればやはり買い過ぎだと思ってしまう。ファンドのネット買い残は4月15日の週も1万3千枚増加してネット買い残は44万枚と3月4日の過去最大のネット買い残45万枚に近づいている。1月21日から13週中11週間が買いが増えている。そろそろ天井だと思う。

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