- 2013-11-19 (Tue)15:44
- 近藤雅世
- 金
第3四半期の金の需給のレポートがWorld Gold Councilから、また2013年のプラチナ需給のレポートがJohnson Matthey社からそれぞれ公表された。金は需要が悪く供給過剰だが、プラチナは生産不足が拡大して2年連続の供給不足だという内容である。金の場合は、ETFによる投資残高が第1四半期から3期連続で▲177トン、▲402トン、▲119トンと合計▲697トン減少したため、第3四半期の需要合計は857トンと、前期比▲73トン、前年同期比▲270トンと減少している。価格が高いため、中国の需要が前年同期比▲32.6トンと減少したことも理由であり、最大消費国インドでは、政府による金の輸入制限措置を行い、国内価格が急上昇したため需要が若干弱まるかとおもわれたが、219.1トンと前年同期比+70.9トン増と首位を保っている。一方生産は772トントンと前期比+38トン増、前年同期比+28トン増である。南アは減少しているが、中国やドミニカの新しい鉱山生産が増えているという。供給量は1239トンで前期比139トン増であるが、前年同期比では▲52トン減となっている。スクラップの発生量が減少したためで、主に日本からのスクラップ発生が無くなったことである。需要の857トンに対して供給は1239トンあるので、需給は289トンの供給過剰である。金の場合、供給は市中にある有史以来の採掘量が15万500トンあると言われ、ほぼ無尽蔵な供給と言えるため、需給で価格を述べることはできないが、需要が供給を大幅に下回っているという状況は心理的に価格を圧迫する要因となる。プラチナについては、供給不足が拡大しているが、詳細は来週のこの欄に譲る。
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