- 2013-07-10 (Wed)09:18
- 近藤雅世
- 経済動向
北半球の農産物にとっては、7月の初旬から8月にかけては最も大切な時期となる。それは雄しべと雌しべがうまく受粉して、実が成るかどうかという時期であるからである。人間と同様、受粉期にはお湿りが必要で、雨が降らないとうまく受粉できない。暑すぎてもだめである。いわゆるHOT&DRYになると困る。米国では7月4日の米国建国記念日をはさんだ前後2週間がトウモロコシの受粉期と言われる。6月30日までのCrop Progress で作柄を見ると、昨年はトウモロコシは優(Good)と良(Excellent)の合計が48%であったのに対し、今年は67%もあるので、今のところ作柄に問題は無いと思われる。(USDAのサイトは、Agency RepotのCrop Progressを見る。Crop Progressは毎週月曜日の現地時間午後4時に公表されるので、日本時間では火曜日の朝見ることができる。)
米国気象庁のサイト(http://water.weather.gov/precip/?yesterday=1)で、今年の7月6日までの米国の降雨量のアーカイブマップを見ると、50年来の大干ばつがあった昨年の降雨地図とそれほど変わらないように見える。今年も中西部には雨が降った後である青い色が少ないような気がする。いずれにせよ、現在進行形の話なので、もう少し様子を見ないとわからない。<雨量の図は今週水曜日発行の株式会社 コモディティー インテリジェンスの「週刊穀物」を見られたい。(http://commi.cc/のサイトで申し込めば1カ月間無料)またはkondo@commi.cc までメールいただければ、無料で一定期間配信される。)>
昨年から引き続くトウモロコシと大豆の問題は、現物の在庫が非常に少ないことにある。このことはすでに2011/12年度つまり、一昨年の春に作付して秋に収穫したものから始まっており、USDA(米国農務省)から公表される毎月の需給報告では需要が少なくなるから大丈夫という説明がずっとされている。実際に国内需要がどれだけあるかは、誰も数字を持っていないので、USDAがいう通りとなるのであるが、どうも作為的な感じがしてならない。12年8月の11/12年度期末にはそれでなんとかなったが、12/13年度になると、昨年の作付と収穫が大干ばつのために極端に生産が減った。これに対してもUSDAは前年同様に需要が減るから大丈夫という数字を毎月出してきている。昨年からの異常な生産減に対して需要の数量を減少させることで調整され、それがシカゴ穀物相場を下げ方向に作用しているが、実際の在庫はかなりタイトであると思われ、これは期近物7月限の価格に反映されている。つまり12/13年度の旧穀の価格である7月限が高くなり、13/14年度の新穀の価格は秋にはたくさん獲れるだろうというので、安くなっている。
穀物価格を予測するのが難しいのは、本当は在庫は少なく、非常にタイトな状況にあっても、USDAが需要が少なくなるから大丈夫と言えば、価格はそれに従って下落することである。事実とは違うのではないかと勘繰っても、シカゴ価格はUSDAの需給報告の内容を予想することに対して、変動する。つまり、在庫が事前予想より多いとUSDAが言えば価格が下がることである。
さて、7月11日にはまた需給報告が公表されるが、ここで12/13年度つまり旧穀の在庫がどうなるかが見ものである。作為がなければ在庫が減少して価格が高騰する可能性があるが、再び、大丈夫と言われると、下落する可能性もある。
米国気象庁のサイト(http://water.weather.gov/precip/?yesterday=1)で、今年の7月6日までの米国の降雨量のアーカイブマップを見ると、50年来の大干ばつがあった昨年の降雨地図とそれほど変わらないように見える。今年も中西部には雨が降った後である青い色が少ないような気がする。いずれにせよ、現在進行形の話なので、もう少し様子を見ないとわからない。<雨量の図は今週水曜日発行の株式会社 コモディティー インテリジェンスの「週刊穀物」を見られたい。(http://commi.cc/のサイトで申し込めば1カ月間無料)またはkondo@commi.cc までメールいただければ、無料で一定期間配信される。)>
昨年から引き続くトウモロコシと大豆の問題は、現物の在庫が非常に少ないことにある。このことはすでに2011/12年度つまり、一昨年の春に作付して秋に収穫したものから始まっており、USDA(米国農務省)から公表される毎月の需給報告では需要が少なくなるから大丈夫という説明がずっとされている。実際に国内需要がどれだけあるかは、誰も数字を持っていないので、USDAがいう通りとなるのであるが、どうも作為的な感じがしてならない。12年8月の11/12年度期末にはそれでなんとかなったが、12/13年度になると、昨年の作付と収穫が大干ばつのために極端に生産が減った。これに対してもUSDAは前年同様に需要が減るから大丈夫という数字を毎月出してきている。昨年からの異常な生産減に対して需要の数量を減少させることで調整され、それがシカゴ穀物相場を下げ方向に作用しているが、実際の在庫はかなりタイトであると思われ、これは期近物7月限の価格に反映されている。つまり12/13年度の旧穀の価格である7月限が高くなり、13/14年度の新穀の価格は秋にはたくさん獲れるだろうというので、安くなっている。
穀物価格を予測するのが難しいのは、本当は在庫は少なく、非常にタイトな状況にあっても、USDAが需要が少なくなるから大丈夫と言えば、価格はそれに従って下落することである。事実とは違うのではないかと勘繰っても、シカゴ価格はUSDAの需給報告の内容を予想することに対して、変動する。つまり、在庫が事前予想より多いとUSDAが言えば価格が下がることである。
さて、7月11日にはまた需給報告が公表されるが、ここで12/13年度つまり旧穀の在庫がどうなるかが見ものである。作為がなければ在庫が減少して価格が高騰する可能性があるが、再び、大丈夫と言われると、下落する可能性もある。
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