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金価格は近日中に上がるか?

  • 2013-02-26 (Tue)09:12
  • 近藤雅世
1月17日の1697.8ドルから下落し始めたNY金価格は、短期的に反転上昇する可能性がある。その根拠は、ファンドが売っているからである。
先週末公表された2月19日までの週のファンドのNY金に対するネット買い残を見ると、3万201枚のネット買い残が減少して、9万8380枚となっている。金のネット買い残が10万枚を割れるのは2008年12月9日以来4年3ヶ月ぶりのことである。これだけを見れば、金に対する人気が薄れていると解釈できるが、内容を見るとそうでないようである。なぜなら、買い残は18万9328枚で、12月18日の19万9724枚から約1万枚しか減っていない。ところが、売り残は、12月18日の4万216枚から2月19日には9万948枚に5万枚増加している。つまり、ファンドは金の買い持ちを減らしているというよりは、金の空売りをしている状況と認識できる。売りが増えてきたのは2月に入ってからである。1月22日は3万6537枚の売り残が2月19日までに5万4411枚売りが増えている。おそらく、金価格がある程度下がって、下げ止まる頃に、一般投資家が売り始めるとファンドは買い戻しを行うだろう。
つまり短期的には金価格は上がると思われる。その時期を占うのはひとつは、3月1日に控えた米国の政府歳出の削減問題である。民主党と共和党の折り合いが万一つかない場合は、政府歳出の一律削減が発動される。そうなると2013年度の残り7ヶ月あいだ(3〜9月)で約500億ドルの歳出削減につながり、この金額は同期間の米国GDPの0.54%に相当する。雇用についても3月から徐々に影響がで始めると見られる。また24〜25日のイタリア総選挙で上院の改革支持派が下半数を得られない場合は、財政緊縮路線が反故となり、イタリア景気に悪影響を与え、再びイタリア国債が売られ金利が上昇する懸念がある。こうした欧米のタイトロープを渡りきれるかが市場は注目するだろう。こうした欧米情勢に何らかの危惧があれば、金価格は反発するだろう。

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