- 2013-01-15 (Tue)18:39
- 近藤雅世
- 経済動向
年初の挨拶で、今年は景気が緩やかに回復するような気がすると述べたが、どうやら、日本の景況感も11月の景況指数では回復の兆しが見られ、米国は鉱工業生産指数やPMI指数が好転しており、欧州でも景気の底を打ったことが確認されているようである。といっても急速な回復は期待薄で、株価が先取りして上昇しているが、どこかで期待はずれから下落に転じるかもしれない。しかし、これまであったサブプライムローン問題から米国の金融不安はすでに解消され、アラブの春による中東北アフリカ諸国の代替わりは、シリアを除いてほぼ完了、エジプトやスーダン等で小競り合いが続いているが、大きな騒乱になる可能性は少ない。欧州は、ESM等の債務問題の保険機構が完備されつつあり、金融界にはECBの手厚い資金手当てがあるため、当面金融不安が起きる可能性は回避されている。
欧州の自動車不況も一年以上を数え、そろそろ買い替えが我慢の限界に来る頃であろう。そうした景気の循環は、サイクルが長引かされることはあっても循環がなくなることはない。自動車需要が回復すれば、プラチナやゴム、原油、アルミ等が恩恵をこうむるだろう。これまでずっと安くなっていたユーロドルは、反転ユーロ高になっている。これまでずっと強かった円はドル高になっている。商品相場も循環であるので、これまでの数年の商品の動きの反対になると思えば良い。
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