- 2012-12-17 (Mon)15:17
- 近藤雅世
- 経済動向
自民党の圧勝で、円が少し円高に振れ、金融緩和と10兆円程度の大型補正予算による建設・不動産株の上昇期待により、日経平均株価は上昇しています。自衛隊員増強や公共投資拡大による日雇い増から雇用への期待も拡がっています。円高に向かったドル円は、82円台半ばまで押せば窓を埋めることとなり、反転すると外銀の為替Analystは見ているようです。今後の基調は円安で来年に向けて継続するとと述べています。ただ、85円には巨大な壁があるそうです。安倍自民党総裁はテレビで、インフレターゲットの設定を日銀に求めていくと述べています。19日〜20日の日銀政策決定会合が注目されます。安倍総裁や自民党総務会長等の発言を聞いていると、日本の財政赤字に対する認識が全く聞かれないことに不安を覚えます。補正予算にしても、消費税を引き上げないこともあるという発言についても、財政赤字はどうするのと聞きたくなります。これまで、日本国債の売り圧力に対して日銀が繰り出す資金で金融機関や企業が国債を買い支えてきました。景気が上向き企業投資等の資金需要がでれば、買い支え資金が不足し、海外からの日本国債売り圧力で長期金利が上昇し、日本の金融機関が保有している日本国債の評価損失が膨大になることが危惧されます。財務省は気が気ではないでしょう。長期金利が1%でも上昇すれば、年間10兆円の金利負担増となり、大型補正予算の財源や5%の消費税上げ効果による財源と同額が消えてなくなることになります。これ以上の金融緩和を行えば、自然にインフレとなると思われ、インフレターゲットを設定することはそれに火をつけることにならないでしょうか。果たして制御可能なインフレがあるのか心配です。デフレでなくなった途端に、ハイパーインフレでは目も当てられません。給料等の収入が上がっていればインフレでも良いのですが、給与や配当は据え置きで、円安等により物価が上昇することに対して、庶民はどうやって生活を防衛すれば良いのでしょうか。無論商品や金を買っていればインフレヘッジにはなりますが。・・・
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