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FOMCが終わって

FOMCはOperation Twistの半年延長で終わった。QE3はなかったが、7月31日、8月
1日の次回のFOMCであるという期待が市場にはあるようだ。しかし、リチャード
クー氏に言わせれば、バランスシート不況の時は、中央銀行がいくら流動性を増
やしても、景気回復の効果は無いという。リーマンショック時を100とすると英
国は370まで中央銀行の流動性を拡大したが、マネーサプライは106で、民間の借
り入れは85まで減ってる。米国でも309まで流動性の供給を増やしたのに、マ
ネーサプライは127で、民間向け信用は96、1990年からの日本でも317まで流動性
を増やしたのにマネーサプライは174、民間向け信用は102だという。英国の民間
部門はゼロ金利下でGDPの6.4%、米国は7.3%、日本は9.5%も貯蓄をしている。
つまり、中央銀行がいくら流動性の供給を増やしたところで、マネーサプライや、
民間の信用は増えず、借金の返済や貯蓄が増えるばかりとなっている。バランス
シート不況下では、マネーサプライ増 ⇒ インフレ加速 ⇒ 通貨安というシ
ナリオは成立しないことになるらしい。
また、金の価格にとってQE3を望むことはおかしなことである。QE3とは流動性
の供与であり、投資資金が増加することであるが、それはもっぱら証券投資や債
券投資であり、商品投資まで資金がまわってくるかどうか保障はない。一度だけ
あった過去の経験を述べているにすぎず、QE3が即金高になるとは思えない。と
もあれ、FOMCは済んでしまい、商品価格は大豆を除いて欧州金融不安にさいなま
れて下落基調である。

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