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ホルムズ海峡 軍事演習の狙いとは?

  • 2011-12-26 (Mon)18:31
  • 近藤雅世
NY原油価格は、12月16日の92.56ドルから6営業日連続で陽線を付け、再び100ド
ルに迫っている。これは主にイランの地政学的リスクが影響しているものと思わ
れる。

11月にイランに対して国際原子力機関(IAEA)が核兵器開発疑惑を認定したこと
受けて、米国議会は制裁へ一気に舵を切り、イラン中央銀行との決済取引のある
外国銀行について、米銀とのドル取引を禁じるという法案を通貨させた。
運用はオバマ大統領に任されているが、石油輸入量の9.2%をイランが占める日
本にとっては窮地の問題である。

これに対して、イランは、24日からホルムズ海峡で軍事演習を行うとし、イラン
原油に対する国際的な禁輸が実施されるなら、いつでもホルムズ海峡を封鎖する
用意があると警告している。

12月初め、イランと米国、中国、ロシア、フランス、英国の国連安全保障理事会
常任理事国とドイツを加えた6カ国は
ジュネーブでイラン核開発問題を巡って協
議が1年2jヶ月ぶりに行われたが、イラン国内の低濃縮ウランの大部分を第三国
に搬送し、その見返りに同国にエネルギーと医療支援を行うと提案したが、イラ
ンは核燃料を製造する権利を放棄することは決してないとし、米国とEUそれに国
連がイランへの経済制裁を解除する必要があると述べ、話合いは平行線に終わっ
た。会議は来年1月末にトルコのイスタンブールで再開することになった。

湾岸協力会議(GCC)は25日アブダビで石油相会議を開き、当面は事態を静観する
ことになったが、イランの石油が封鎖された場合、サウジアラビア東部と紅海を
結ぶ原油パイプライン(輸送能力日量480万バレル)を代替ルートとして利用す
ることを確認した。

イランは、隣国イラクの油田権益に対する2次入札が行われた数日後に武力誇示
を行っている。イラク政府は現在日量250万バレルの産油量を850万バレルまで増
やそうと早急に対策を進めている。この数字はかなり非現実的だが、たとえ一部
でも達成されれば、それだけイランの石油に対する引き合いは少なくなることを
警戒しているものと思われる。

イランの経済と国家財政は原油と強く結び付いており、原油はイランの輸出の80
%を占めている。一方世界銀行によると、他の多くの原油輸出国とは対照的に、
最近の原油価格高騰時に、イラン政府が原油価格の下落時や原油生産量の低下時
に備えて蓄えている石油安定化基金を減少させている。これは、イラン政府が
GDPの10%にも相当する国民に対するエネルギー助成金がイラン財政にとって相
当重荷になっていることを示している。

つまり、アフマディネジャド大統領率いるイラン政府は、国内の抗議活動を抑え
るためにも、国家収入を増やすためにも、ホルムズ海峡で事を起こして目を海外
に向けさせると同時に原油価格を煽ることは一石二鳥の得策と言えるだろう。

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