- 2010-06-10 (Thu)11:22
- 近藤雅世
- 金
8日のNY金は15.7ドル下落して、1229.9ドルになった。一方NY原油は、2.39ドル上昇して、74.38ドルになった。この差は何だろうか?これまで欧州の財政危機により、欧州の金融機関が倒産するのではないかとの不安があった。しかし、冷静になって考えてみれば、欧州の金融機関が仮に倒産するとしても数年後の話である。ギリシャは当面の資金繰りはついたので、将来の借りた金の返済がとてもたいへんになるとは思われるが、今すぐデフォルト(債務不履行)になる可能性はない。一方で、米国の景気指標は回復を示している。鉱工業生産は上昇し、個人消費が伸びている。日本でも、消費者の買い控えは終わったような雰囲気である。住宅関連産業やゼネコンは受注減で当分業績回復の見込みはないが、それ以外の産業には、徐々に明るさが見えてきた。昨今の株価の下落は、最後の調整安であるのではないだろうか。そうした雰囲気が、金価格を下げ、原油価格を上げている。産業用基礎資材の価格は景気とともに上昇する。金については、いずれインフレが来るという可能性があるので、未だ買われるかもしれないが、少し調整の時期であろう。
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