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粗糖は弱気な値動きが続く

  • 2010-05-18 (Tue)12:59
  • 大場良博
  • 粗糖
インターコンチネンタル取引所に上場されている砂糖先物価格は、2月1日の30.4セントをピークに下落に転じ、その後ほぼ一直線に下降し続けている。わずか2ヶ月で価格が半分以下にまで落ち込むというケースは稀なため、一時的な反動が出やすく、マーケットの参加者はポジションを建てることに対して神経質にならざるを得ない状況だ。

下落基調が続いている主な原因は、今後ブラジルを中心とした主要生産国からの輸出量が増え、世界の需給が緩和する可能性が高いというムードが広がっていることである。輸入需要が活発化しているわけではない。
国際砂糖機関(ISO)が7日に発表した報告によると、2010-11年度の世界砂糖供給は需給を200万トン上回る見通しであると述べられている。
特に世界最大の消費国であり、第二位の生産国であるインドの期初在庫の上方修正がマーケットに大きな影響を与えている。当初、インドの2009-10年度(10−9月)の生産量は干ばつ被害を受けた影響から1,500万トン程度と予想されていたが、今年に入り、1,600万トン、1,700万トンと引き上げられ、3月31日には一気に1,800万トンを大きく上回るという見通しに修正された。インドの予想生産量がわずか3ヶ月間でに300万トンも上方修正されたことは過去に例がなかった。

今後2〜3ヶ月の間で注目すべき点は二つである。一つはインドを含め、サトウキビ生産が集中している東南アジアでモンスーンが通常どおりに発達するのかどうか、もう一つは世界最大の輸出国であるブラジルからの輸出量がどの程度増加するか、である。

インドに不測の事態が発生した場合は、もともとの余剰在庫がないだけに、再び輸入量を増やしてくる可能性がある。たた、インドのパワール農相が今月5日に発表したコメントによると、2010-11年度の同国砂糖生産量は年間需要(2,300万トン)を上回る見通しとなっているうえ、これに伴って現在行われている砂糖輸入の免税措置を見直す意向があると述べられている。つまり、モンスーンが通常通りに発達し、予想通りに生産が行われれば、インドは昨年のように大量輸入を行ってくる可能性は低い。

一方、ブラジルの輸出も昨年と同様のペースで行われており、滞り感はない。ブラジル統計局(IBGE)が今月6日に発表した報告によると、2010-11年度のサトウキビ生産量は前年比1.12%増の6億9,769万9,000トンになると予想されている。また、ブラジル貿易局(Secex)の月次データによると、4月の砂糖輸出量は前年同月比4.3%増、前月比5.4%増の135万6,200トンであった。ブラジル場合、通常3〜4月に集中して収穫作業行われ、5〜7月にかけて盛んに輸出されるが、過去最高レベルの生産量となれば、当然その分、これから輸出に回される量も増加すると予想される。

米国商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告を見ると、ファンドの買い残はピーク時から減少しているが、それでも依然として買い残のほうが多い状況である。売り方の利益確定により一時的に反発することも考えらるが、ファンダメンタルズに変化がない限りは、当面このまま低調な値動きが続いていく可能性の方が高いだろう。

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