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欧州景気は1年以内に回復する

Bank of America Merrill Lynchが毎月行っている229人の資産運用責任者を対象にするファンドマネジャー調査によれば、世界経済が今後12ヶ月に強くなると見ているのは72%で、7月の52%より急増し、ほぼ4年ぶりの高水準となったという。

ユーロ圏を巡るセンチメントが著しく改善し、来年にかけて強まるとみている欧州ファンドマネジャーは88%にも達し、先月と比べて倍増している。ユーロ圏債務危機の解消につながる可能性が高いのは、ECB欧州中央銀行の介入ではなく、景気の強まりだという。今後12ヶ月でユーロ圏株をオーバーウェイトすると回答したものは20%に達し、先月と比べて14%ポイント増加している。

世界景気の先行きへの期待が非常に急速に高まり、その一方でキャッシュの配分が高水準にとどまっているのは好ましい傾向で、人気が離散した新興国市場がこれらの資金を活用する魅力的な機会を提供しているという。

ただ一方で、新興国市場株は19%がアンダーウェイトしており、4分の3位上が割安と判断しているが、その配分は先月から一段と低下し、ほぼ2年ぶりの低水準となっているという。中国のハードランディングへの懸念は先月からは沈静化したものの、解消するには至っておらず、総回答者の半数以上が市場や各国経済を脅かす最大のリスクと捉えている。ただ中国の経済成長が「弱まる」と見ている投資家は32%と先月の65%から減少している。

世界の景気が回復基調にあるとすれば、景気銘柄である石油やプラチナに注目される。ことにプラチナは欧州の自動車需要が低迷を続けているために需要が落ち込んでいる。自動車はそう長く買い替えないで済むとは思えない。

World Gold Councilによれば、第2四半期の金需要は、ETFによる需要が米国で落ち込んだ以上に、中国とインドで前年同期比それぞれ87%、71%増と大幅な金塊・コイン需要が出ている模様で、予想通り貴金属は価格が下がれば需要が増えるという仕組みが示されている。

金や原油については、米国の金融緩和第3段(QE3)が9月にも縮小されると、その分米国株や金価格は影響を受けて下がる可能性がある。FRBが購入する債券額月間850億ドルのうち100億ドル程度縮小されるとの噂があるが、その規模でも市場に対する影響は大きいだろう。

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