- 2012-01-10 (Tue)20:29
- 近藤雅世
- 経済動向
2012年の景気予測をいろいろ見てみても、楽観的な見通しはほとんど無い。
IMFもOECDも昨年末に11年と12年の世界のGDP成長率を下方修正しており、
これまで米国等先進国の景気後退を新興諸国の景気拡大で補うというデカップリ
ングは今年は当てはまらないようで、米国の緩やかな景気拡大が欧州の景気後退
とデカップリングするかどうかが話題となる程である。
欧州の問題は、イタリアやスペイン国債の償還が今年前半に大量にあるというこ
と、その消化が困難であると両国の国債利回りが7%を超えて危険水域に達して
しまうということ、ギリシャは3月20日に大きな償還を控えているが、この資金
をどうするかについて、再びEUとIMFは頭を悩ますことになる。民間投資家が50
%の債務カットを承諾しない場合は、EUは最初から救済案をやり直す必要がある。
そうでなくとも、ギリシャに対する新たな融資をEFSFで行う必要があり、その後
はESMにバトンタッチするための条約案について、英国を除いた26カ国の議会承
認を3月末までに取り付けねばならない。そのギリシャは5年目のGDP成長率マイ
ナスを迎え経済は破綻状況にある。
中国では土地価格の下落により不動産売却が思うように行かなくなり、地方政府
の財政危機が顕在化しつつある。
ロシアでは大統領を目指すプーチンの威力が衰え始め、絶大な権力ではなくなっ
た。世界的に政治家が自信を喪失しつつある。ドイツとフランスのメルコジも
国内の政権基盤が弱いため、国民の声を聞くかEUの存続を計るか綱渡り状態であ
る。そうした情勢下では金価格は追い風であろう。いくらリスク資産からの逃避
といってもドルばかりではない。ドル高は金安とは最近はなっていない。ユーロ
安ドル高でも金高はあり得る。原油についてはイラン次第であろう。
IMFもOECDも昨年末に11年と12年の世界のGDP成長率を下方修正しており、
これまで米国等先進国の景気後退を新興諸国の景気拡大で補うというデカップリ
ングは今年は当てはまらないようで、米国の緩やかな景気拡大が欧州の景気後退
とデカップリングするかどうかが話題となる程である。
欧州の問題は、イタリアやスペイン国債の償還が今年前半に大量にあるというこ
と、その消化が困難であると両国の国債利回りが7%を超えて危険水域に達して
しまうということ、ギリシャは3月20日に大きな償還を控えているが、この資金
をどうするかについて、再びEUとIMFは頭を悩ますことになる。民間投資家が50
%の債務カットを承諾しない場合は、EUは最初から救済案をやり直す必要がある。
そうでなくとも、ギリシャに対する新たな融資をEFSFで行う必要があり、その後
はESMにバトンタッチするための条約案について、英国を除いた26カ国の議会承
認を3月末までに取り付けねばならない。そのギリシャは5年目のGDP成長率マイ
ナスを迎え経済は破綻状況にある。
中国では土地価格の下落により不動産売却が思うように行かなくなり、地方政府
の財政危機が顕在化しつつある。
ロシアでは大統領を目指すプーチンの威力が衰え始め、絶大な権力ではなくなっ
た。世界的に政治家が自信を喪失しつつある。ドイツとフランスのメルコジも
国内の政権基盤が弱いため、国民の声を聞くかEUの存続を計るか綱渡り状態であ
る。そうした情勢下では金価格は追い風であろう。いくらリスク資産からの逃避
といってもドルばかりではない。ドル高は金安とは最近はなっていない。ユーロ
安ドル高でも金高はあり得る。原油についてはイラン次第であろう。
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