- 2011-10-11 (Tue)18:14
- 近藤雅世
- 経済動向
メルケル独首相とサルコジ仏大統領は、10月9日ベルリンで会談し欧州の銀行の
資本増強を進める方針で一致した。詳細は明らかにしなかったものの、「ユーロ
安定に向けた包括的な対策」を10月末までに提案する考えを表明。 欧州主要
国2カ国による債務危機の解決に向けたユーロ圏諸国の協調的な取り組みが歓迎
され、23日開催の欧州連合(EU)首脳会議での議論に期待が広がった。
また、ベルギー政府は、経営危機に見舞われていたフランス・ベルギー系金融大
手デクシアについて、フランス、ルクセンブルク両国政府との合意の上で、ベル
ギーの子会社を国有化する方針を決めた。関係者によれば、デクシアは解体され
る見通し。 この二つのニュースで商品価格は一息付いた。
10日のNY原油11月限価格は4営業日連続で上昇し、85.41ドル、NY金12月限価格は、
35ドル高の1670.80ドルとなった。デクシアは、PIIGS諸国に対する国際保有高が
その自己資本に対して最も多い割合であったため、市場に噂が流れる前の国有化
は安心感を産んだ。今後も自己資本不足の金融機関に対して欧州各国政府は増資
などに応じるものと思われ、その資金の出し手として欧州金融安定化ファシリテ
ィー(EFSF)が活用されるものと思われる。
欧州金融不安が一段落すれば市場は平静を取り戻すだろう。金価格は欧州の金融
機関がリーマンブラザーズのような突然死のサプライズが無い限り、それほど急
騰することはなく、金融不安が徐々に解消される動きとなれば、横ばいから下落
に転じる可能性もあり得ないことではない。
一方、原油価格等工業用途の資材価格は、どの道上昇しようが無いだろう。欧州
金融不安が解消したところで、世界の景気は二番底に向かう可能性すらあり、再
び好景気が訪れるのは相当先のような気がする。それまでは、世界が日本化し、
デフレと景気低迷が続くのではなかろうか。
資本増強を進める方針で一致した。詳細は明らかにしなかったものの、「ユーロ
安定に向けた包括的な対策」を10月末までに提案する考えを表明。 欧州主要
国2カ国による債務危機の解決に向けたユーロ圏諸国の協調的な取り組みが歓迎
され、23日開催の欧州連合(EU)首脳会議での議論に期待が広がった。
また、ベルギー政府は、経営危機に見舞われていたフランス・ベルギー系金融大
手デクシアについて、フランス、ルクセンブルク両国政府との合意の上で、ベル
ギーの子会社を国有化する方針を決めた。関係者によれば、デクシアは解体され
る見通し。 この二つのニュースで商品価格は一息付いた。
10日のNY原油11月限価格は4営業日連続で上昇し、85.41ドル、NY金12月限価格は、
35ドル高の1670.80ドルとなった。デクシアは、PIIGS諸国に対する国際保有高が
その自己資本に対して最も多い割合であったため、市場に噂が流れる前の国有化
は安心感を産んだ。今後も自己資本不足の金融機関に対して欧州各国政府は増資
などに応じるものと思われ、その資金の出し手として欧州金融安定化ファシリテ
ィー(EFSF)が活用されるものと思われる。
欧州金融不安が一段落すれば市場は平静を取り戻すだろう。金価格は欧州の金融
機関がリーマンブラザーズのような突然死のサプライズが無い限り、それほど急
騰することはなく、金融不安が徐々に解消される動きとなれば、横ばいから下落
に転じる可能性もあり得ないことではない。
一方、原油価格等工業用途の資材価格は、どの道上昇しようが無いだろう。欧州
金融不安が解消したところで、世界の景気は二番底に向かう可能性すらあり、再
び好景気が訪れるのは相当先のような気がする。それまでは、世界が日本化し、
デフレと景気低迷が続くのではなかろうか。
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