- 2009-12-30 (Wed)17:17
- 近藤雅世
- 金
2009年に貴金属価格に特徴的であったのは、3月までのプラチナ価格の下落基調と、11月以降の金やプラチナ価格の上昇であろう。東京プラチナ価格は2008年5月22日の7168円を天井に、昨年10月27日の2278円まで4890円68%暴落し、1月15日までは2500円台を横ばいであった。これは景気後退局面から株価の下落、失業率の悪化、消費者の個人消費の減退などが自動車触媒や、宝飾用需要を減退させ、かろうじて日本のプラチナ地金の投資需要が底いれし、次いで中国の宝飾品需要が増大し、最後に自動車需要が回復局面に来たというシナリオであろう。東京金価格も08年10月27日の2104円まではリーマンショックの後遺症で株価が下落すると同じように金価格も下落してきた。年初はユーロ安で金価格も下値を探る展開だったが、3月頃からの新興諸国の株価回復から日米の株価が上昇すると共に金価格もそろそろと上がり始め、2009年9月以降は一気に上昇基調を強めて12月3日の3477円の天井まで10月1日から連日上昇を続けた、途中ドバイショックで下落局面もあったが、金融不安は金価格をそのまま押し上げ、12月に入ってからは調整安となって3200円台で横ばいとなっている。そして今後は、(以下に続く)
そして今は金やプラチナは買い時の踊り場であると思う。なぜなら米国金融不安は改善されていないからである。金が上がる理由は1)ドルの利上げは当分見込めない。2)米国の財政赤字は増える一方である。以上からドルやドル安傾向が恒常化するだろう。3)米国における住宅ローン返済不能率が高まっており、サブプライムローンばかりでなく、プライムローンも通常の1%前後の返済不能率が3.6%以上に高まっており、銀行の倒産件数が2009年の140行から2010年は500行近くになると言われている。
金融機関は、信用リスク、市場リスク、担保リスクに加えて更にソブリンリスク、つまりドバイやギリシャ、スペイン、アイルランド等の返済不能リスクを抱えている。当分ドル安、金高の基調は変わらないと思われる。
金融機関は、信用リスク、市場リスク、担保リスクに加えて更にソブリンリスク、つまりドバイやギリシャ、スペイン、アイルランド等の返済不能リスクを抱えている。当分ドル安、金高の基調は変わらないと思われる。
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