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第3四半期金の実需は802トン

  • 2009-11-25 (Wed)18:34
  • 近藤雅世
ワールドゴールドカウンシルのレポートによれば、2009年第3四半期(7〜9月期)の金の需要は800トンであった。これは前期の726トンよりは多いが、前年同期の1227トンよりは少ない。金の需要は、2008年第3四半期の1227トンを天井に、減少傾向にある。価格が上昇すると需要が減少するのは不要不急の商品である金の性質である。最大の需要国インドは、423.5トンと、前年比33%減、日本も39.4トンと179%減である。中近東や欧米でも軒並み金の需要は減少した。一方増加した国は中国とベトナムである。香港や台湾を含めた拡大中国では458.5トンとインドを追い抜いて世界一となっている。分野別では、投資用が落ち込んで、宝飾用が回復している。金価格の流れから行くと逆のようだが、宝飾用とは中国における24金の宝飾品であり、投資目的に代わりはない。6割が宝飾用で、3割が投資用、歯科ならびに工業用途は1割強である。(つづく)
供給は833トンで需給は31トンの供給過剰となっているが、金の場合は有り余る地上在庫があるので、需給で価格が動くことはほとんどない。南アの生産は毎年落ちており、この3ヵ月はわずか5トンになった。その代わり、インドネシアやタンザニア、米国、中国、ロシアでの生産が増加している。この期間は105トンという大量のヘッジはずしがあった。過去に鉱山会社が先物で売っていたものを買い戻したもので、統計上は生産量のうち売約済みということで生産の−と記載される。また、公的保有金の売却も少なく、9月26日に終わった5年間の第二次中央銀行協定2500トンの枠の消化は1800トンに終わった。最後の年は155トンと過去10年で一番少なかった。第3四半期の公的保有金の売却は売却量よりも、フィリッピンやメキシコなどが買った量の方が多くて、15トンの−となっている。またインドはIMFから200トンを64億ドルで購入したが、相対取引で行われているので市場には影響が無かった。かえってこの売却は金価格を上昇させた。

さて、金価格であるが、ワールドゴールドカウンシルのレポートからは最近の金価格上昇の要因を探ることはできない。原油と同様にドル安や米国の金融不安が金価格を上げているのであろう。しかし今週木曜日はサンクスギビングホリデーで多くのファンドマネージャーは休暇を取る。つまり今夜米国市場である程度の利食い売りが出るのではないかと思っているが、最近はそうした憶測をすべて蹴飛ばして金価格は上昇しているので、どこまで上がるかという予測は極めて難しい。投資家のマインドが未だ金は買いだと思っている間は上がるとしか言いようが無い。何度も言って当たらずに申し訳ないが、そろそろ一旦手仕舞い売りが出る頃ではないだろうか。

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