- 2009-10-14 (Wed)18:45
- 近藤雅世
- 金
金価格は13日史上最高値を更新した。どうも天邪鬼なのか、之だけ千ドル以上が続くと買い意欲よりいつ下落するのかが気になり始める。金はインドやトルコでは売れておらず、インドは昨年の輸入量712トンをはるかに下回ると思われ、トルコも9月はわずか1.7トン(昨年は12.5トン)の輸入量しかなかったという。相当量のスクラップが発生していると思われる。つまり、金も原油もファンダメンタル要因で価格が上がっているわけではない。ドル安が主な要因である。それでは、ドル安が反転しドル高になることはあるのだろうか?中長期的にはドルは安いと思われる。しかし、短期的にはいずれ米連邦準備制度d理事会(FRB)は利上げを行う。先週はバーナンキFRB議長が出口政策を採ることもありうるというニュアンスの発言をして金価格は下がったが、今週はコーンFRB副議長がインフレというよりはむしろデフレの懸念があると述べ当分出口戦略は採られないと市場が解釈したことが、金の上げ要因となっている。ことほど左様に微妙な段階に来ている。というのも、ドル安を演じているドルキャリートレードの当事者は利上げになるかどうかを戦々恐々と見守っているからだ。ドルを借り入れて商品や高金利の通貨資産で運用しているファンドは、運用資産が天井近くなり、運用収益に期待が持てなくなったり、借り入れ金利が上がりそうになれば、運用資産を売って、ドルを返済することになる。これは誰かが行えば連鎖的に現れるというマネーゲームである。金で資産運用しているファンドもNY金のネット買い残は24万枚を超え、史上最大となっている。おそらく時間の問題で手仕舞いをし始めるだろう。金や原油のように、ファンダメンタルの支えが無い商品は価格が下落するとなだれをうって下落する。
まだ少し上値はあるかもしれないが、どちらかというと下落する危険性の方が大きいのではないだろうか。
まだ少し上値はあるかもしれないが、どちらかというと下落する危険性の方が大きいのではないだろうか。
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