- 2011-04-11 (Mon)19:28
- 近藤雅世
- 金
NY金価格は4日連続して上昇し1474.1ドルと史上最高値を更新している。しかし、どうもその理由に欠けるようになっているような気がする。ポルトガルの問題は、先月末までは4月15日43億ユーロや6月15日の49億ユーロの借り換えが果たしてうまくいくのか、暫定政権ではEUやIMFに支援を要請することは法的にできないのではないかという不安があった。しかし、ポルトガルのソクラテス首相は、首相を辞任しているが、6月5日の総選挙まではその地位に暫定的に留まっており、彼がもうだめだとしてEUとIMFに支援を要請した。10年債等の金利が10%を超えたしまったからだ。4月6日の半年〜1年の短期債の入札はなんとかなったが、それでも市場金利が大幅に上昇している。この時点で金価格が上がるのは当然であった。ユーロを持つよりは金で資産を持った方が良いとの考えとなる。しかし、その後、ソクラテス首相は4月7日EUとIMFに支援を要請し、EUとIMFは5月16日前後に800億ユーロを支援する方向で検討している。これまで、ポルトガルの支援要請がなければと言っていたEUは支援要請さえあればいつでも資金を用意する段取りであった。EUは7500億ユーロの資金枠を持っており、ポルトガルの支援はその内数であるので問題ない。つまり一件落着で、長期的にポルトガルがこの資金を返済できるかとか、6月中旬に予定されるポルトガルの銀行のストレステストの結果で銀行に更に支援が必要かどうかは未だ問題が残っているが、デフォルトになることはなくなった。そうこうするうちに、ECBは0.25%の利上げを行った。また米国でも金融引き締めは終わり、いつ利上げをするかという話題になりつつある。こうした中で金価格が上昇し続けるには環境は金にはアゲインストになりつつある。私見ではあるが、そろそろ金価格は手仕舞い時ではなかろうか?
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