- 2010-10-12 (Tue)16:35
- 近藤雅世
- 金
NY金価格は連騰が続き、終値ベースではついに史上初めて1350ドルを超えた。先週のCFTCの残高は、9週間連続増の28万3462枚となった。商品全般にドル安とインフレの思惑により買われている。コーンは1万4985枚増の45万8457枚と、これも金と並んで史上最大の買い残高である。原油は4万3292枚増の19万8276枚となり、ガソリンやヒーティングオイルも買われている。先週10月5日までの1週間の動きでは、大豆粕が▲1万9573枚、長期国債の▲1万3690枚、砂糖の▲1万150枚、小麦の▲1万130枚、天然ガスの▲6091枚が減少したほかはすべてネット買い残高が増えている。23アイテム中5アイテムが減少し、18アイテムが買いが増加した。また、10月5日時点で売り残が多いのは、天然ガスと小麦、長期米国債、ドルインデックスの4アイテムだけである。いかに買い残が多いかがわかる。これだけを考えると、金などの貴金属やコーン他の農産物、景気回復を先取りした石油などはいずれ売り閉じられる恐れが大きくなりつつあると言える。買い材料としては、米国の景気回復の遅れからFRB賀11月2日〜3日のFOMCで追加金融緩和を行うというその一点だけである。どこかで買いを誰かに渡してひそかに売り抜けたいと思っているファンドが多いことだろう。どうも金の一方高に浮かれる気持ちがわかない今日この頃である。