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金価格が強い理由

  • 2009-06-03 (Wed)19:03
  • 近藤雅世
金価格は983ドルと千ドルに手が届くまで高くなった。

この原因のひとつにはドル安である。

FFレート(短期金利)がゼロ〜0.25%の米ドルはドルキャリートレードが始まっている。安い金利のドル資金を借り入れて、高い金利のブラジルレアルなどを買う動きである。日本の円を借りて行う円キャリートレードのドル版である。そのためドルが売られて安くなり、ブラジル通貨やインドルピー、ロシアンルーブルなどBIRCs諸国の通貨やユーロ・円も高くなっている。ドルは全面安の様相である。ドルが安ければドル建ての金価格は上昇する。それが金価格上昇の大きな原因のひとつ。

もうひとつはインフレ懸念である。

米国債の長期金利が上昇している。これは国債が大量に発行されて消化不良となっていることもひとつの原因だが、将来のインフレ期待率が上昇していることも長期金利上昇の要因である。

つまり、将来インフレになれば、中央銀行はインフレ対策のために利上げを行うだろう。そのためには今のうちに安い金利を手当てしておこうという動きである。市場にはインフレの予感が強くなってきており、その対策として金を初めとする商品が買われる。つまりインフレヘッジの商品買いである。そしてその動きそのものが商品価格を押し上げてインフレを加速する。

正に昨年起こった物価騰貴のシナリオである。インフレは気がつくとインフレになっていたということが多い。

物価が上昇することは何か景気がよくなるようなイメージがある。物価が上がって売上高が名目上でも大きくなると、給料が名目上ではあるが、増えることもある。そうなると実質的な所得に変化がなくても、何か裕福になったような錯覚を覚えることがある。これをマネーイリュージョンとケインズは呼んだが、インフレはデフレに比べて、ある日突然そうなっていたという、実感を伴わない動きとなることが多い。

それを知っている投資家は早くからインフレヘッジのための商品買いを行う。商品の中でも金は金自体の需給に惑わされない商品である。また他の産業や信用とは切り離された商品でもある。だからインフレヘッジには適している。こうして金は紆余曲折はあっても、千ドルを超えて上がり続けるだろう。

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