- 2013-12-24 (Tue)18:06
- 近藤雅世
- 経済動向
このメルマガも今回が今年で最後なので、今年一年を振り返り、2014年を展望してみる。
2013年は株価が上昇した年であった。2012年12月登場した安倍内閣により、アベノミクスが提唱され、日銀黒田総裁が4月に行った異次元緩和で後押しされた株価は、5割近く上昇した。また、米国や欧州各国の株価も2割前後上昇している。2007年以来のサブプライムローン問題や、欧州財政危機による金融不安は一掃され、FRBも景気回復が本格化するとのことで金融緩和が縮小された。
そうした背景から今年の商品価格は、その代表たる金や穀物価格が下落し、NY金は年初から12月20日までに約▲25%、トウモロコシに至っては▲37%下落している。年初から上昇した商品価格は、NY天然ガスの+35%、東京パラジウムの+20%、東京一般大豆の+19%、東京原油の+18%、東京ガソリンの+12%、シカゴ大豆粕の+10%、NY原油の+6%、東京灯油の+6%、東京粗糖の+3%、東京白金の+2%、NYパラジウムの+1%などであるが、ドル円が+18%の円安になっているので、東京市場価格は18%上昇して上昇ゼロであるとするなら、ほとんど値上がった商品はないことになる。
このことから考えると来年は商品価格が上昇する年になるだろうと想像できる。なぜなら、世界各国で自国通貨安、ドル高になっており、インフレが加速しているからだ。日本の商品価格も円安はさらに進行すると思われ、その分黙っていても価格は上がるだろう。インフレによる物価高は、インフレヘッジとしての商品買いを呼び起こし、通貨で預金するよりもドル資産にするか商品買いを行うかという選好が強まるものと思われる。日銀の資産は、量的緩和により164兆円から13年末には約220兆円に34%増加し、FRBは4兆ドルに約24%増加している。ひとたびインフレになれば過去のデフレ時代には想像もできなかったほどの速さでインフレになるのではなかろうか。
そうした中で先に上がるものは、産業関連銘柄や穀物価格であろう。穀物の場合は、南米の天候次第であり、1月の南米の受粉期に雨が十分降るかどうかが注目される。
産業関連銘柄とは、エネルギーや非鉄金属、ゴムなどであろう。ただ、それぞれにネックになることがある。エネルギーの場合はシェール革命による米国の原油や天然ガス生産の急増がCAPとなり、非鉄金属は、新興諸国が勃興するときの勢いほどの需要は出ないだろう。ゴムも自動車の販売はすでに好調であるが、ゴムの需給にそれほどの影響は出ていないので、高騰する可能性は少ない。供給不安といえばプラチナ系金属であろうか。
金などの金融商品からみの商品は、インフレヘッジというニーズ以外にはまさかの事態が起きない限り他の投資に資金が向けられる可能性がある。まだ金価格が元のように高くなるというには少し早すぎるような気がする。
2013年は株価が上昇した年であった。2012年12月登場した安倍内閣により、アベノミクスが提唱され、日銀黒田総裁が4月に行った異次元緩和で後押しされた株価は、5割近く上昇した。また、米国や欧州各国の株価も2割前後上昇している。2007年以来のサブプライムローン問題や、欧州財政危機による金融不安は一掃され、FRBも景気回復が本格化するとのことで金融緩和が縮小された。
そうした背景から今年の商品価格は、その代表たる金や穀物価格が下落し、NY金は年初から12月20日までに約▲25%、トウモロコシに至っては▲37%下落している。年初から上昇した商品価格は、NY天然ガスの+35%、東京パラジウムの+20%、東京一般大豆の+19%、東京原油の+18%、東京ガソリンの+12%、シカゴ大豆粕の+10%、NY原油の+6%、東京灯油の+6%、東京粗糖の+3%、東京白金の+2%、NYパラジウムの+1%などであるが、ドル円が+18%の円安になっているので、東京市場価格は18%上昇して上昇ゼロであるとするなら、ほとんど値上がった商品はないことになる。
このことから考えると来年は商品価格が上昇する年になるだろうと想像できる。なぜなら、世界各国で自国通貨安、ドル高になっており、インフレが加速しているからだ。日本の商品価格も円安はさらに進行すると思われ、その分黙っていても価格は上がるだろう。インフレによる物価高は、インフレヘッジとしての商品買いを呼び起こし、通貨で預金するよりもドル資産にするか商品買いを行うかという選好が強まるものと思われる。日銀の資産は、量的緩和により164兆円から13年末には約220兆円に34%増加し、FRBは4兆ドルに約24%増加している。ひとたびインフレになれば過去のデフレ時代には想像もできなかったほどの速さでインフレになるのではなかろうか。
そうした中で先に上がるものは、産業関連銘柄や穀物価格であろう。穀物の場合は、南米の天候次第であり、1月の南米の受粉期に雨が十分降るかどうかが注目される。
産業関連銘柄とは、エネルギーや非鉄金属、ゴムなどであろう。ただ、それぞれにネックになることがある。エネルギーの場合はシェール革命による米国の原油や天然ガス生産の急増がCAPとなり、非鉄金属は、新興諸国が勃興するときの勢いほどの需要は出ないだろう。ゴムも自動車の販売はすでに好調であるが、ゴムの需給にそれほどの影響は出ていないので、高騰する可能性は少ない。供給不安といえばプラチナ系金属であろうか。
金などの金融商品からみの商品は、インフレヘッジというニーズ以外にはまさかの事態が起きない限り他の投資に資金が向けられる可能性がある。まだ金価格が元のように高くなるというには少し早すぎるような気がする。
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