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商品投資は正解である。

12月号の¥SPAにはずいぶん前に取材があり、金や原油、穀物の話が載ると思うが、今日も週刊SPA12月20日号(13日発売)の取材があった。その原稿は土曜日に出社して作ったが、この原稿を作りながら、また、日経新聞やブルーンバーグからの取材に答えるうちに、どうも今後は商品投資が正解のような気がしてならない。

一つは、過去2年間で金と原油、CRB商品指数の投資が
株式投資を大幅に上回り、金は50%以上のパフォーマンスがあったことだ。ニューヨークダウ平均株価がかろうじて6%のプラスでCRB商品指数と並び、韓国株式指数が5%の利益が出ているが、これが2年間の結果である。一方金は56%、原油は19%の利回りである。

今後のことを考えてみても、景気は沈滞するだろう。従って原油のような産業用資材価格は下落する可能性はあるが、長い目でみれば、これだけ通貨を大量に発行していれば、通貨価値が下がって商品価格が上がるというインフレはいずれやってくるに決まっている。デフレがインフレ圧力を相殺して今は顕在化していないだけであるが、将来景気が少しでも上向けば、商品価格は一斉に上昇し始めるであろう。今からそうした将来に備える必要は無いかもしれないが、いつそうした事態が訪れるかは予断できない。だから、少し気長に商品を買い続けることは来るべきインフレに備えて勝機は多いのではないだろうか。

ことに、日本の場合、円高がいつ円安に急展開するかわからない。国債は日本国内銀行が投資先に困って国債を購入しているので買い支えられているが、誰が見ても日本国債は売りたくなる代物である。先週もその片鱗が現れ国債利回りが少し上昇した。欧州の国債が軒並み売れなくなりドイツ国債ですら札割れしている状況では、いつ日本国債の人気が衰えてもおかしくない。その場合は、中身が非常に悪いだけに日本国債はすぐに急落して金利が上昇するだろう。金利の上昇は1000兆円を超える借金大国の利払いを急増させ、1%で10兆円の利払い増加となる。そうなればすぐ円安となり、円が100円/ドルに戻れば商品価格は2割以上高くなる。円高の場合、国内輸入業者は、その含み益を自社の利益としてしまい、世の中に還元しないことが多いが、円安になり原材料価格が上昇すれば、企業は
すぐに商品価格に転嫁するのが日本企業のやり方である。だからデフレ(不況)とはいえ、インフレ(物価高)になる、いわゆるスタグフレーションになる可能性がある。

楽観的に考えて、復興需要で景気が少しでもよくなれば、企業投資が増えて銀行からの借り入れ需要が起きる。それは日本国債を買い支えている銀行の国債買い威力を弱まらせる。それは日本国債の金利上昇を招き、円安となる。つまり、景気が良くなっても円安は避けられない。円安は日本円建ての商品価格を上昇させる。

今デフレの世の中で何をばかなことを言っているのかとおっしゃるかもしれないが、すでに日本のデフレは20年近く続いており、復興需要をきっかけに反転するかもしれない。皮肉なことに、デフレで円高だったが、好況で円安になりそれは輸出需要を増やしてますます好況になりインフレに拍車を掛ける可能性がある。

長い意味ではあるが(といってももうすぐ先のことかもしれない)、そうした世の中に対処するには商品を買っておく方が賢明であろう。

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