- 2018-12-12 (Wed)12:02
- 近藤雅世
- マーケット全般
私はテクニカル分析を信奉していない。商社で商品ファンドを組成した時、多くのテクニカル分析の本を読んだり、ファンドマネージャーから投資の手法としてのテクニカル分析を聞いたことがある。実際に長期波動等の分析手法のみでファンドマネージャーとなっていた人を知っている。しかし、移動平均法や相対力指数だけで相場を張っているファンドマネージャーはあまり聞いたことがない。私の結論は、あらゆる手法を時と場合に応じて使い分けるべきであるというものだ。一つのテクニカル分析手法だけで相場の世界を生き残るのは難しいということである。時宜に応じた使い分けと言うが、言うは易し、行うは難しである。また、ファンダメンタル分析をする暇がないデイトレード等短期売買になればなるほど、支持線とか抵抗線等に頼らざるを得ず、結果的にテクニカル分析で相場を張ることになる。テクニカル分析には必ず騙しと呼ばれる見せかけのサインが出る。ファンダメンタル分析でも常に理論通りにはならず、その情報を事前に市場が知っていた場合や、人々の予想通りの事実が現れる場合は、価格はファンダメンタルではこうなるはずだという常識とは逆に動くことがある。セミナーをやっていると、ご自分で開発されたテクニカル分析をご披露して評価を求める観客がいる。私は、それは良かったですね。ぜひそれで続けられたらいかがですかと答えていた。テクニカル分析もいろいろな考え方があり、絶対に正しいという方法はないと思っている。それぞれに当たることもあるし当たらないことも多いという程度である。
商社時代に作った商品ファンドは元本確保型であった。当時金利が7%ほどに高かったため、集めた資金の75%程度を7年間固定金利で運用すれば、100%以上に戻ったため、理論上元本は満期まで保有すれば100%以上に戻る仕組みであった。しかし、出資法ではそれを元本保証ということは許していなかった。なぜなら、商社そのものや、資金預けた銀行が倒産して返済されないというリスクがあるため、絶対に確実ではないためだ。だから元本確保型という中途半端な名称となっていた。ちなみに、残った25%の資金を先物市場で運用すれば、レバレッジを4倍かければ集めた資金全額を使っているのと同じ効果が得られる。また25%の証拠金が7割減ったところで、運用はすべて停止する仕組みとなっていた。つまり25%の資金の3割は戻ってくるので、先物における運用が最低の成績であっても、7年間で7%以上の金利が元本とともに返ってくる仕組みとなっていた。幸い、結果としては毎年数%の配当を生み出す成績をCTAは出してくれたので、投資家に謝りにいかずに済んだ。昨今の金利では考えられない夢物語である。
投資信託等が、自己の運用手数料を稼いだ上に、顧客に毎年一定の配当金を支払うことがいかに難しいことであるかをこの時学んだ。ファンドと言われる運用者は関係する多くの人々の収益を稼いだ上で、投資家に配当することになる。毎年配当型だと運用資金は毎年減ってしまう。また資金規模が大きくなればなるほど、それを殖やすことは一層難しくなるようだ。多くの投資信託の中でごく一部しかインデックスを上回る成績を出せないでいるが、それはそうしたコストを賄って余りある利益を出すことは至難の業だということであろう。
商社時代に作った商品ファンドは元本確保型であった。当時金利が7%ほどに高かったため、集めた資金の75%程度を7年間固定金利で運用すれば、100%以上に戻ったため、理論上元本は満期まで保有すれば100%以上に戻る仕組みであった。しかし、出資法ではそれを元本保証ということは許していなかった。なぜなら、商社そのものや、資金預けた銀行が倒産して返済されないというリスクがあるため、絶対に確実ではないためだ。だから元本確保型という中途半端な名称となっていた。ちなみに、残った25%の資金を先物市場で運用すれば、レバレッジを4倍かければ集めた資金全額を使っているのと同じ効果が得られる。また25%の証拠金が7割減ったところで、運用はすべて停止する仕組みとなっていた。つまり25%の資金の3割は戻ってくるので、先物における運用が最低の成績であっても、7年間で7%以上の金利が元本とともに返ってくる仕組みとなっていた。幸い、結果としては毎年数%の配当を生み出す成績をCTAは出してくれたので、投資家に謝りにいかずに済んだ。昨今の金利では考えられない夢物語である。
投資信託等が、自己の運用手数料を稼いだ上に、顧客に毎年一定の配当金を支払うことがいかに難しいことであるかをこの時学んだ。ファンドと言われる運用者は関係する多くの人々の収益を稼いだ上で、投資家に配当することになる。毎年配当型だと運用資金は毎年減ってしまう。また資金規模が大きくなればなるほど、それを殖やすことは一層難しくなるようだ。多くの投資信託の中でごく一部しかインデックスを上回る成績を出せないでいるが、それはそうしたコストを賄って余りある利益を出すことは至難の業だということであろう。
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