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視聴者からの質問

TOCOM SQUARE TVというU-Tubeによる東京商品取引所提供の毎週月曜午後8時からの番組は前年比4倍の視聴者の伸びとなっているが、時々視聴者の方からご質問をいただく。コメンテーターとしてはご質問をいただくのはたいへんありがたい。視聴者の方々は何が知りたいのか、当方はわからないからだ。声が小さいというご不満や、話がわかりにくいというお叱りの言葉は肝に銘じて次回から改善するよう努力している。
今回のご質問の一つは、「『専門家の話を理解すること』は鉄則なのですか?」というものでした。これについて、考えるに、専門家も素人も投資家としては五十歩百歩だと思っています。決して専門家は投資がうまく、素人は投資が下手だということは無いと思っています。
ただ、今日のサウジアラビアのニュースを聞いたときに、専門家はポイントに反応します。つまり、このニュースが原油価格にとってどれだけ大きなことかそれともたいしたことはないのかというポイントです。それを判定するためには、無人機の攻撃によりどれだけの原油生産が、どのくらい長く停止するかという点が肝要です。ニュースによればサウジアラビアは日量570万バレルの原油生産が停止すると言います。ニュース解説では世界の生産量の5%に相当すると述べています。5%が多いか少ないかはともかく、すぐに思い浮かんだのは先週の米国の生産量が日量1240万バレルだったことです。つまり米国の生産量の4割以上が無くなるということです。また、世界の原油生産量は米国、サウジアラビア、ロシアが毎年首位争いをしており、いずれも日量1000万バレル以上だったことを想い浮かべます。その次はどの国だったか覚えていなかったので、BPレポートを見たところ4位はカナダで日量520万バレルでした。つまり日量570万バレルの喪失はものすごく大きなインパクトであることがわかりました。次に原油の喪失がどのくらい継続するのかをニュースで読みます。するとあるレポートでは数週間、他のレポートでは数ヵ月と書いてあります。つまりサウジアラビアでもはっきりしたことを掌握できていないことが分かります。いずれにせよ長くて数ヵ月、つまり来年初めには元に復旧する程度のことだということがわかります。専門家であれば、情報のマグにチュード、つまりインパクトを測ることが条件反射に出てきて、手持ちのデータでそれを確かめることが出来る人ということになります。そういう意味では専門家の方がこうした突然の価格変動には対処しやすいかもしれません。

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