- 2018-09-27 (Thu)09:25
- 近藤雅世
- マーケット全般
企業や為替についての秀逸な情報がどれだけあるか知らないが、原油や穀物には、読み切れない程の情報が日次、週次で発行されている。原油の場合、米国エネルギー情報局(EIA)は、毎週、毎月の間隔でデータを更新している。それらは無料でエクセル形式などでダウンロードできる。
筆者は、毎週木曜日にEIAの石油週報のエクセルをダウンロードして自分のエクセルに移し替え、日本語に直してかつ、データをグラフ化している。週報だけで12ページのエクセルが書き換えられている。これに月報があり、また週報には週刊レポートが、日報には毎日エネルギーに関するレポートが別途発行されており、石炭や天然ガス、電力等も含まれるが、石油だけでもたくさんある。米国だけでなく世界各地の情報が載せられている。毎月EIAは短期予測を公表している。さらに年に一度長期予測も公表している。同様に、国際エネルギー機関(IEA)も毎月石油レポートを公表しているが、残念ながら最新のものは有料で、無料でダウンロードできる資料は前月に公表されたものである。こちらも年一回長期展望を公表している。無料で入手できるのはOPECである。毎月中旬に80ページ強のOil Market Reportを公表している。これは世界の需給を見るのに役に立つ。EIAもIEAも直近のOPECの生産量だけは書かれていない。OPECのレポートだけが前月のOPECの生産量を記載している。世界の原油の需給の構成は、世界の需要と非OPEC諸国からの供給、プロセスゲインとOPEC諸国の非原油(天然ガス等)からの原油供給、それにOPECの生産量である。需要から非OPECの原油供給を差し引いて、OPECの生産量と比較することでその月やその年の原油需給は測られる。EIAもIEAも形式は同じであるが、OPECからの原油供給量が書かれていない点が片手落ちとなっている。その点OPECの無料レポートはすべてが書かれているので有用である。ただし、上記の需給表ははっきりとは書いていない。
その他の情報としては、ロイターやブルーンバーグのニュースあるいはPLATTS社の情報等が参考になる。日本エネルギー総合研究所のレポートは有料である。また年に一度6月頃にBP社から世界の確認埋蔵量や電力消費量等エネルギーに関するデータが公表される。BPレポートと呼ばれるもので、同社のホームページからエクセルシートがダウンロードできる。BP社も今後10年のエネルギー予測を年に一回公表している。これらの資料は英文を日本文に訳したり、膨大なデータなので、必要な部分だけを抜き出して並べ替える必要がある。つまり、公的なデータはEIAにしろIEAにしろ、OPECにしろ、またBPであっても独自に加工する手間暇が必要であり、そうしたデータを取得しても、将来の価格がわかるわけではない。
データを加工してグラフに表し、たとえば、米国やカナダの原油生産量の伸びのグラフと、世界の需要の伸びのグラフを比較検討することで、需要の伸びよりも北米の原油生産量の伸びの方が上回っていることを認識できる。またOPECの供給が減少すれば需給のつじつまは合うのであるが、OPEC諸国各国の生産量を時系列的にグラフ化することで、どの国が増産し、どの国が減産しているかを知ることができる。減産している場合、その原因は何で、いずれ解決して元に戻るのかを知る必要がある。リビアやベネズエラの場合がそうであり、政変や経済不況によって生産量は減少しているが、これがいつまで続くのかをニュース等で知る必要がある。また、生産の支障が起きている国はどこで、どの程度の提供が出ているのかを調べないと、単に地政学的リスクと騒いでも、それが市場にインパクトを与えるのかどうかという判断が必要となる。たとえばシリアの生産量は2000年頃までは日量40万バレル強であった。内乱が発生して以降は16万バレル程度に落ち込んでいるが、シリアはもともと原油を輸出していない。つまり国内向けの原油供給が滞っているのであり、輸入が増える可能性はあるが、日量数万バレルであれば、世界に影響は与えない。こうした世界の需給に影響があるかどうかの単位も頭に入れておく必要がある。
筆者は、毎週木曜日にEIAの石油週報のエクセルをダウンロードして自分のエクセルに移し替え、日本語に直してかつ、データをグラフ化している。週報だけで12ページのエクセルが書き換えられている。これに月報があり、また週報には週刊レポートが、日報には毎日エネルギーに関するレポートが別途発行されており、石炭や天然ガス、電力等も含まれるが、石油だけでもたくさんある。米国だけでなく世界各地の情報が載せられている。毎月EIAは短期予測を公表している。さらに年に一度長期予測も公表している。同様に、国際エネルギー機関(IEA)も毎月石油レポートを公表しているが、残念ながら最新のものは有料で、無料でダウンロードできる資料は前月に公表されたものである。こちらも年一回長期展望を公表している。無料で入手できるのはOPECである。毎月中旬に80ページ強のOil Market Reportを公表している。これは世界の需給を見るのに役に立つ。EIAもIEAも直近のOPECの生産量だけは書かれていない。OPECのレポートだけが前月のOPECの生産量を記載している。世界の原油の需給の構成は、世界の需要と非OPEC諸国からの供給、プロセスゲインとOPEC諸国の非原油(天然ガス等)からの原油供給、それにOPECの生産量である。需要から非OPECの原油供給を差し引いて、OPECの生産量と比較することでその月やその年の原油需給は測られる。EIAもIEAも形式は同じであるが、OPECからの原油供給量が書かれていない点が片手落ちとなっている。その点OPECの無料レポートはすべてが書かれているので有用である。ただし、上記の需給表ははっきりとは書いていない。
その他の情報としては、ロイターやブルーンバーグのニュースあるいはPLATTS社の情報等が参考になる。日本エネルギー総合研究所のレポートは有料である。また年に一度6月頃にBP社から世界の確認埋蔵量や電力消費量等エネルギーに関するデータが公表される。BPレポートと呼ばれるもので、同社のホームページからエクセルシートがダウンロードできる。BP社も今後10年のエネルギー予測を年に一回公表している。これらの資料は英文を日本文に訳したり、膨大なデータなので、必要な部分だけを抜き出して並べ替える必要がある。つまり、公的なデータはEIAにしろIEAにしろ、OPECにしろ、またBPであっても独自に加工する手間暇が必要であり、そうしたデータを取得しても、将来の価格がわかるわけではない。
データを加工してグラフに表し、たとえば、米国やカナダの原油生産量の伸びのグラフと、世界の需要の伸びのグラフを比較検討することで、需要の伸びよりも北米の原油生産量の伸びの方が上回っていることを認識できる。またOPECの供給が減少すれば需給のつじつまは合うのであるが、OPEC諸国各国の生産量を時系列的にグラフ化することで、どの国が増産し、どの国が減産しているかを知ることができる。減産している場合、その原因は何で、いずれ解決して元に戻るのかを知る必要がある。リビアやベネズエラの場合がそうであり、政変や経済不況によって生産量は減少しているが、これがいつまで続くのかをニュース等で知る必要がある。また、生産の支障が起きている国はどこで、どの程度の提供が出ているのかを調べないと、単に地政学的リスクと騒いでも、それが市場にインパクトを与えるのかどうかという判断が必要となる。たとえばシリアの生産量は2000年頃までは日量40万バレル強であった。内乱が発生して以降は16万バレル程度に落ち込んでいるが、シリアはもともと原油を輸出していない。つまり国内向けの原油供給が滞っているのであり、輸入が増える可能性はあるが、日量数万バレルであれば、世界に影響は与えない。こうした世界の需給に影響があるかどうかの単位も頭に入れておく必要がある。
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