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いよいよバブルの崩壊か?

本日12月5日の東洋経済ネットでみずほ証券シニアエグゼクティブ土屋剛俊氏の『いよいよバブルは「終わりの始まり」なのか』というブログがあった。
世界中の株価が高騰している中で、何度もそうした危惧は語られており、狼少年の気配がないわけではないが、かなり深刻に書かれているのでその趣旨をご紹介したい。
(本文はこちら:http://toyokeizai.net/articles/-/199536)

 米国の信用力の低い会社が発行する高利回りのハイイールド債の市場にスプレッドの拡大という異変が起きている。債券価格の下落を意味し、倒産の可能性が高まった時に起きる。ハイイールド債は金融市場が崩れるときには真っ先に売られる。今年は債券価格の下落は3月の原油価格下落のときと8月の北朝鮮のミサイル発射時に起こっている。今回は特に理由がない。はっきりとした理由がないのに債券価格が下がるときには十分警戒が必要だと債券トレーダーの同氏は述べる。

 考えられる問題は中国の不良債権である。相当巨額であることは分かっているが、はっきりしたデータが無い。ただ民間貸し出しが2011年以降急激に膨らんでおり、GDPの伸びを上回っている。

 暴落の入り口にいるかどうかを判断するためには、クレジット市場の暴落が市場を崩壊してしまうような展開になるためには金融システムが大きく毀損することが必要である。今回の下落が大きな納会につながらないと主張する人たちの根拠は、現在の世界の金融システムは健全だと思っているためだ。

確かに世界の金融監督当局は自己の管理する金融界の健全性を維持するために規制を強化し、リスクを取らせないようにした。そうして、個々の金融機関の健全性は高まったかもしれないが、その結果、流動性供給元としての機能が大きく損なわれた。今は世の中が平和だからよいが、下落局面に転じたときに支える重要な担い手がいないのである。たとえば、米国における社債の保有シェアで、米国の証券会社は2007年に3%台を占めていたが、サブプライム危機以降、急低下して現在は、1%に満たない。いざとなったときに、マーケットメイクができるのだろうか。

一方、投資信託の社債の保有シェアは07年の10%から20%に上昇している。投資信託は市場が崩れた時にはそれを加速する方向に動く。相場の下落は投資家が慌てて解約すること通して、売りが売りを呼ぶのである。つまり、現在はリーマン当時と比べるとグローバルマクロや金融システムの安定性が高まっているように思えるかもしれないが、問題が金融村の外に出ているだけで、市場が崩れ始めた時の対応力は圧倒的に脆弱になっているのである。臨界点に達するのがはるかに速くなっている。

また当時の欧米の中央銀行のバランスシートは今よりはるかに余裕のある状態だった。今もし何か起きて、再度、中央銀行が巨額の緩和を求められても余力はほとんどないのではないだろうか。また、リーマン後の世界の崩壊を止めたのは中国の財政支出であったが、今の中国に当時のような勢いはない。それどころか中国自身が震源地になると認識されているのである。

今、市場で話題になっているニュースの1つに「中国当局がこれまで資産運用商品の販売を支えてきた暗黙の保証を取りやめることへ向けた計画を公表した。中国国内の購入者にとっては寝耳に水のはずだが、まるで何事も起こらなかったかのようだ」というのがある。

この13年で中国の資産運用商品の規模はほぼゼロから約1690兆円に膨らんだそうだ。要するに「これだけのサイズになったのだから、これをデフォルトさせるといった、資金が流出するようなリスクのあることなど、中国政府はできっこない」と思っているのである。典型的な「too big to fail(大きすぎて潰せない)」信仰であり、モラルハザード状態となっている。日本のバブルのときも銀行の巨額の不良債権リスクが指摘されても、「デフォルトを許したら、たいへんなことになるのでできっこない」という信仰があった。

ユーフォリア状態の人たちには警告するメッセージなど届かない。サブプライムローンのブームのときも、所得が非常に低く、英語も話せない人たちが豪邸を買うのはおかしいといくら指摘したところで、市場のプレーヤーたちには聞こえないのである。ユリウス・カエサルの言葉に、「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」というのがあるが、まさにその状態なのだろう。

いま、中国が崩れ始めたら、世界でそれをとめられる体力のある国はない。そして隠蔽の奥に秘められた巨大なマグマのような動きを市場が感じ始めている。現在のハイイールド市場で起きていることは、嗅覚の鋭い投資のプロたちが危険な資産からジリジリと逃げ出し始めていることを示しているように思う。

狼少年の声とはいえ、かなりおどろおどろしく響いている。


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