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第3四半期の金の需給で思うこと

World Gold Councilによる第3四半期の金の需給レポートが発行された。これによると、第3四半期の金の需要は前年同期比▲9%減、1月から9月までの需要は前年比▲12%減である。これは主にインドの宝飾品向けの金需要が前年同期比▲25%も減少したためであり、中国の宝飾品向け金需要は+13%と改善している。インドの需要の低迷は昨年11月の500と1000ルピーの廃貨と、7月の物品税の導入、それに8月のマネーロンダリング法による5万ルピー(約750ドル)以上の宝飾品を買い上げた人に対して、氏名等を当局に報告する義務があるという法律によるものである。宝石や宝飾品に対するマネーロンダリング法の適用は10月に廃止されており、物品税も以前15種類の税金があったものが、3種類に統一された効用があり、一時的な購入の手控えだと思われている。そのため、インドの宝飾品需要はモンスーン気候が長引いた地域があり農民の収入減が懸念されている他は、このまま落ち込むとは思えないという。

一方生産の方は、鉱山生産が前年同期比▲1%、リサイクルが▲6%で供給全体では▲2%となっている。ただ、1月から9月の生産量は過去最大という。
2007年以来世界一の金鉱山生産を誇る中国では、公害規制が厳しくなっており、5四半期連続で鉱山生産量は前年割れとなっている。
新規の金鉱山は、スリナムのNewmont Merian鉱山が稼働し、カナダとアルゼンチン、ロシア、カナダで報告されているがそれぞれの生産量は言えるほど大きくない。こうしたことから、ピークゴールド論は未だ廃っていない。

金は地底から掘り出す以外には新規供給は無い。地上在庫はあるが、問題はそれらを上回る需要があるかどうかである。

世界の金の需要国はインドと中国が筆頭であり、欧州、米国等が続くが、金は消費して無くなるものではない。人々が金を欲しいという欲求があるかないかにかかっている。

このところ政府保有金の需要が多く、中国とロシア、トルコ政府が金を外貨準備の一部として蓄えており、第3四半期も前年同期比+25%増と大幅増となっている。

こうした需要はどこまで続くのであろうか。人々の金に対する憧憬や価値の認識はいつまで続くのであろうか。NHKスペシャルによれば、エジプトのピラミッドで長さ30mの新幹線一両分の空洞が王の間の右上にあることが日本とフランス等のチームにより発見された。ここでツタンカーメン以上の財宝が見つかれば、当分金ブームに沸くかもしれない。3500年の歴史を過ごしても無垢の金が輝いていれば、資産として残すのには最適な物質であろう。古代エジプトの通貨が仮に銅や青銅であったとしても、それらは3500年の風雪には耐えられない。

未だ金の需要は続くのかもしれない。

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