- 2017-04-12 (Wed)09:54
- 近藤雅世
- マーケット全般
先週と先々週の株式会社コモディティーインテリジェンスの週刊穀物(毎週水曜日発行)に書いたことであるが、毎年4月1日にシカゴトウモロコシ、シカゴ大豆を買うと、過去10年間で7月末までに価格が4月水準よりも上昇した確率はシカゴトウモロコシが59.8%、シカゴ大豆が65.2%、東京トウモロコシは、62%、東京一般大豆も62%であった。約6割が4月から7月末までの間に価格が上がっている。中には4月1日から上がりっぱなしの年も、2010年11年、16年とシカゴトウモロコシは3回、東京トウモロコシは8年、10年、13年と3回あり、シカゴ大豆は8年、9年10年など、4月1日の価格を少し下回ったこともあるがほぼ上昇したというのは、12年、13年、16年と6回もある。東京一般大豆では、07年、08年、09年、ほぼ上がりは13年であった。
6割の確率というのは相場ではかなり大きな当たり確率である。
要するに、4月1日の時点では旧穀についてはほぼ世界の生産量は確定しており、残る情報は需要の動きだが、これはそれほど大きく変わるものではない。一方新穀は4月から6月ころまでに作付けされて、その後7月にかけて生育期を迎え、秋の収獲までは天候相場となる。現時点で天候に関する情報は皆無に等しく、今年はエルニーニョになるかもしれないという情報は気象庁から約4割の確率と公表されているが、エルニーニョがトウモロコシや大豆に与える影響は過去の統計でも明白な因果関係を認められていない。需給の情報としては、3月31日に公表された作付け意向面積のだけが新穀に関する唯一のデータである。今年の場合、一昨年来の豊作で在庫が多いが、これは既に価格に十分織り込まれており、今更ショートする勇気はない。ということで、春になれば宝くじを買うような気持ちで穀物を買う人は多いのではなかろうか。何事も無ければ価格は7月頃にダレルが、仮に6月以降雨がそれほど降らないようなことになれば、干ばつによる大相場が期待される。
こうした季節要因が相場の動きに見られるのは、穀物だけであり、また、ほぼ今の時期だけである。
6割の確率というのは相場ではかなり大きな当たり確率である。
要するに、4月1日の時点では旧穀についてはほぼ世界の生産量は確定しており、残る情報は需要の動きだが、これはそれほど大きく変わるものではない。一方新穀は4月から6月ころまでに作付けされて、その後7月にかけて生育期を迎え、秋の収獲までは天候相場となる。現時点で天候に関する情報は皆無に等しく、今年はエルニーニョになるかもしれないという情報は気象庁から約4割の確率と公表されているが、エルニーニョがトウモロコシや大豆に与える影響は過去の統計でも明白な因果関係を認められていない。需給の情報としては、3月31日に公表された作付け意向面積のだけが新穀に関する唯一のデータである。今年の場合、一昨年来の豊作で在庫が多いが、これは既に価格に十分織り込まれており、今更ショートする勇気はない。ということで、春になれば宝くじを買うような気持ちで穀物を買う人は多いのではなかろうか。何事も無ければ価格は7月頃にダレルが、仮に6月以降雨がそれほど降らないようなことになれば、干ばつによる大相場が期待される。
こうした季節要因が相場の動きに見られるのは、穀物だけであり、また、ほぼ今の時期だけである。
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