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金は12月が買い時

 NY金価格はトランプショックから一転してトランプ氏の政策を前向きに受け止め、ダウ平均株価は過去最高値を更新している。トランプ氏の政策で見るべき点は減税とインフラ投資であり、どちらも短期的な米国経済を押し上げる働きがあると見て、株式市場は、建設株を中心に値上がりしている。初演説で、都市部のスラム化した地域を整備し、高速道路や橋梁、トンネル、空港、学校、病院等のインフラを整備することは最重要課題だと述べ、この政策は共和・民主両党とも賛成している。このため、キャタピラーや設備レンタル株式会社のユナイテッド・レンタルズ等が大きく値上がりしている。減税関連でも中間層への所得税減税、法人税最高税率の35%を15%に、本国の資本還流に際しての減税、相続税の廃止などをうたっている。財政確保の問題があり、どこまで実現できるかわからないが、新大統領就任後の短期間には米国経済は活性化するものと期待されている。オバマ政権が医薬品価格の値下げを主張しているため薬品株も上昇、鉄鋼株も米国第一主義により中国を始めとするアジア勢の輸出攻勢をけん制して上昇している。オールドエコノミーの株が買われ、逆にニューエコノミー株は売られている。
売られた中に金も含まれる。CITI Groupは選挙前、トランプ氏が当選したら金価格を1400ドルを超えると予想していたが、見事に予想は外れた。セーフヘブンとしての用が無くなった金価格は支えを失って急落している。

しかし、新規に金を投資する方はもう少し待たれたら良いと思う。なぜなら、12月に利上げがあるのは確実で、再任があるかどうかわからないイエレン議長は、新大統領就任前の今回のFOMCで何が何でも利上げを断行するであろう。折から経済指標は利上げを後押ししている。そのため、ドルが買われ高くなっている。昨年と同じ状況である。12月16日に利上げが確定すれば、今度はドルは売られるだろう。昨年と同じであれば、ドルをせっせと買っている人々は利上げ成就と同時に売り放すであろう。昨年はその時が金の底値であった。利上げは、上昇していた株価に冷水を浴びせる。株価の急落はセーフヘブンを復活させる。あくまで昨年と同じ状況を辿ればという仮定の話であるが、そうした可能性は高いと思う。

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