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銀価格の相対力指数は77%。NY銀は88%

  • 2011-04-21 (Thu)17:36
  • 近藤雅世
  • その他
NY銀価格は4447.1セントとなり、31年ぶりの高値となっている。1979年ハント兄弟が買い占めて50ドルになった時以来の価格である。これは行き過ぎではないだろうか?銀の工業品需要が開拓されているのは事実としても、その数量は非常に少ない。シルバーインスティテュートによれば、2010年の銀の需要は878.8百万オンス27,333トンであった。これは前年比12.8%増で10年来の高水準である。工業用途が20.7%増加し487.4百万オンス15,160トンに増加した。2011年は宝飾品用の需要は5.1%増加するだろうという。宝飾品の伸びは2003年以来である。写真用は6.6百万オンス205トンで9年で最少である。その他銀食器が50.3百万オンス1,565トン、と前年から246トン減少している。一方、供給は前年比2.5%増の735.9百万オンス22,889トンであり、メキシコが128.6百万オンス4,000トン、ペルーが116.1百万オンス3,611トン、中国が99.2百万オンス3,085トン、豪州が59.9百万オンス1,863トン、チリとボリビアが41百万オンス1,275トン、米国が38.6百万オンス1,200トン、ポーランド37.7百万オンス1,173トン、ロシア36.8百万オンス1,145トンである。これだけ見ると需要の方が供給より多いように見えるが、スクラップの供給がある。2010年のスクラップ発生量は142.9百万オンス4,441トンであり、鉱山生産とスクラップを合わせると878.8百万オンスと27330トンとなる。更に詳細があるが、Silver Instituteの需給は毎年必ず供給と需要が同じ数字になるようになっている。これらを深読みすれば、供給過剰な状態が続いていることがわかる。いずれにせよ、半導体等で新しい銀需要が増えていることは事実であるが、その数量は単位にならないほど小さいものであり、話題性には富んでいても需給を左右するほどの量ではないというのが実態である。だからといって、ハント兄弟が買った時には50ドルまで上がったのだからまだ上がる可能性は捨てきれないが、銀価格はこの3カ月で、1.6倍になっており、これはどう考えても上がり過ぎである。短期間で大きく上がれば上がる程、大きく下がる可能性が高い。たくさん上がった分だけ大きく下がるものである。
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