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過去の記事 - 2011 / 09 -

金価格は…

  • 2011-09-27 (Tue)
  • 近藤雅世
金をはじめとする商品価格が先週末大暴落した。心配されている方が多いかもし
れない。ポジションを持っていると気が気ではないかもしれないが、
商品によっては、絶好の買い場到来と思えるものがある。その一つが金である。
欧州のソブリンリスクは、ソブリンリスクそのものではなく、金融機関がつぶれ
るのではないかという不安である。FT紙によれば、ドイツのシーメンスは、フ
ランスの大手銀行から5億ユーロの預金を引き出し、ECBに40〜60億ユーロの
預金を積んでいるという。大手銀行ですら危ないので金利が安くても公的機関に
預けるというものだ。シーメンスは昨年12月銀行免許を取っている。水面下では
サブプライムローンの時と同じような金融不安が起きていると思われる。IMF
のラガルド専務理事はユーロ圏の銀行は2000億ユーロの自己資本強化が必要だと
述べた。また、ゴールドマンサックスも、欧州38金融機関は数カ国の債務危機に
対応するには300〜920億ユーロの資本増強が必要と述べている。ドイツの有力経
済研究所はドイツ国内金融機関だけで資本不足額は1270億ユーロに上るIMFよ
り一層厳しい試算を発表している。
つまり、それだけ不良債権が貯まっているということで、資本注入しなければ銀
行の資金繰りがおかしくなるということである。金価格はどう転んでも上昇する
以外に無いと思う。

ギリシャデフォルトの可能性高まる

  • 2011-09-12 (Mon)
  • 近藤雅世
ギリシャに対しては昨年5月1100億ユーロ、今年の7月に1090億ユーロの巨額の支
援資金枠が決められた。しかし、それでことは済んでいない。その融資が実際に
実行されるのは、3ヵ月ごとにギリシャの経済の進展を見ながら決められるため
だ。今度の融資は今月末の第6回目融資の80億ユーロである。

ギリシャが独自に調達しようとすれば、ギリシャ国債金利は既に20%を超えてい
るので、事実上不可能である。過去の債務を返済するには、EUとIMFからの融資
が不可欠となっている。ところがギリシャは返済の条件であるGDPの成長が伸び
るどころか予想以上に落ち込んでいる。第2四半期のGDPは▲6.9%の予定が▲7.3
%となった。家計で言えば、借金を返済するための収入がどんどん減っている状
況だ。

そのため、ギリシャ政府は11日、追加的な財政再建策を発表した。不動産税の増
税などを通じて財政赤字を20億ユーロ(約2100億円)減らし、EUなどとの間で交
わした赤字削減目標の達成を目指す。2年間にわたり不動産所有者に対する特別
税を導入するほか、代議士の報酬を削減する。記者会見したベニゼロス財務相は
「われわれの優先事項は2011年の財政目標を尊重することだ」と述べ、11年の財
政赤字を国内総生産(GDP)比で約7.5%に圧縮するという目標の達成に向けた努
力をアピールした。

しかし、ギリシャ国内では緊縮財政に反対するデモが行われている。市場では、
ギリシャが打ち出した新たな財政赤字削減策も実現の可能性が不透明で、「ギリ
シャが計画通り債務を返済することは不可能」との声も出てきた。市場はいつま
でたっても財政再建ができないギリシャにさじを投げるようにユーロ売りを加速
させている。ユーロ円は12日午後103.90円と104円を割れ、10年ぶりの安値を更
新している。

ギリシャ財務相は10月までの資金はあると述べている。ということは11月以降は
無いということである。早ければ11月頃ギリシャ国債がデフォルトになる可能性
がある。

そうなれば欧州中央銀行初め、欧州の主要金融機関は巨額の不良債権を抱え込む
ことになる。これは恐らく米国サブプライム問題以上に深刻な影響を欧米の金融
機関に与えるだろう。

金価格は横ばいであったが、ユーロ安に伴い再び上昇する可能性がある。

FRBと金価格

  • 2011-09-05 (Mon)
  • 近藤雅世
8月のFRB(米連邦準備制度理事会)によるFOMC(公開市場委員会)後のバーナン
キ議長によるジャクソンビルにおける講演は何の具体案も提示されずに
終わった。8月9日のFOMCで既に9月20日のFOMCは2日間の日程に延長して景気回
復策を徹底的に討論するという日程が了承されていたが、バーナンキ議長は、そ
のことをジャクソンビルでの講演まで取っておいたようだ。
つまり、9月20日に何か具体案を出すので、それまで待って欲しいということで
ある。その間に、先週末の非農業部門雇用者数の増減が市場予想の75,000人増が
ゼロだったことを受け、市場ではバーナンキ議長がQE3を打ちだす可能性が高く
なったと見ている。

金価格にとってQE3は必ずしも上げ材料とは限らないと思われる。原油やプラチ
ナ等の工業原料需要は、株価が上がると共に価格上昇への期待があるが、金にと
っては、ドル安、インフレ懸念という要因で強気にとらえるしかない。これまで
金価格が上がってきた基本的な要因は、銀行が倒産して預金が返金してもらえな
くなるという恐れであった。その原因は、サブプライム問題であり、ソブリンリ
スクであった。ソブリンリスクもギリシャがデフォルトになることは何の問題も
ない。ギリシャ国民にとっては徳政令というありがたい事態である。しかし、そ
れを何が何でも阻止しようとしたのはECBであり、ヨーロッパの中銀であった。
なぜなら、ギリシャ国債を大量に抱えているのはECBや中銀であり、また、欧州
の市中銀行であるからだ。ギリシャ国債のデフォルトは即不良債権の山を意味す
る。

しかし、QE3で資金が市場にジャブジャブになり、ドル安になると言うこと事態
が金高の直接的要因ではない。インフレは、景気が回復して初めてインフレにな
る恐れが出てくるが、QE3を行うことによって、果たして景気は回復するかどう
か極めて疑問なところが、なかなかバーナンキ議長がQE3に踏み切らない根拠で
ある。QE1、QE2で成功したのは、株高と商品高だけであった。企業は相変わらず
資金を借りる行動には出ず、雇用も悪化こそすれ、回復はしていない。個人消費
も以前は借金して消費する体質であった米国人は、将来の収入増が見えないため、
借金してまで消費する傾向は薄れている。銀行がいくらお金を貸しますよと企業
や個人にPRしても、使う気持が無ければ資金は国債や商品投資に走るしかない。

だが、9月20日〜21日ののFOMCではQE3に近い政策は出さざるを得ないだろう。政
策が手つまりだからである。バーナンキ議長は長期的な成長に必要な政策の大半
はFRBの範囲外にあると演説の最後で述べ、財政政策の重要性を強調している。

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