商品相場専門のアナリストが、独自の視点で最新の相場動向を分析! 先物投資で利益を上げるためのコツとファンダメンタルが学べます。株式、為替以外をポートフォリオに!と考えている投資家にもおすすめです。

Home > 過去の記事 > 2016 / 01

過去の記事 - 2016 / 01 -

過剰に悪く言われる中国

中国については、多くの情報が過剰に反応して語られる。先日友人が北京のスモッグはすごいらしいと言い、中国は公害に何の対策も打っていないのではないかと言うので、中国は日本円にして4兆円の国家予算が組まれ、世界で最も公害対策に金を使っている国だと説明したが信じてもらえなかった。中国政府にとっては全国の公害対策は最も重要な政策の一つになっている。
中国の経済減速により世界経済が影響を受けるという情報も少し過敏に語られているのではなかろうか。以前は低賃金を原動力に安いコストという商品を世界にばらまき、中国人はお金持ちとなった。急激に成金となった中国人に対する反感もあるのであろう。今後はそうした低コスト商品による輸出が減退して中国経済はだめになると思われる。また、中国は不良債権、過剰在庫、過剰設備投資、国営企業の非効率運営等、多くの問題を抱えて発展している。しかし、中国の国家予算は日本のような借金によるものではなく、資金的に十分な余裕があり、それを銀行を通じて企業に回している。
中国株価の度重なる下落はあたかも中国の投資家がすべからく資産を無くしたように語られる。しかし、2015年1月初めを100とした指数では中国株式価格が世界の株価の中で最も上昇しているのは事実であり、先週末までに+30.3%上昇しており、二位のベトナムの+3.6%を大きく引き離し、日経平均株価は+1.8%であり、ダウ平均株価に至っては▲7.4%&である。何度も中国株の急落が報じられているので、さぞかし下がっているだろうと思うのは錯覚で、急落は上がった株価の反動落ちに過ぎない。
トムソンロイターによれば、中国汽車工業協会(CAAM)が12日発表した2015年の中国自動車販売は、前年比4.7%増だった。前年の6.9%増から伸びが鈍化した。2015年の販売台数は2460万台。12月の販売は前年比15.4%増の280万台だった。同協会は先に、景気減速や株式市場の混乱などを理由に、2015年の販売予測を7%増から3%増に下方修正していた。
同協会は2016年の自動車販売が6%増加するとの見通しも示した。同協会のトップは先月、個人的見解として5%〜7%増との予想を示していた。同協会は、環境に優しい「新エネルギー車」の販売が2016年に70万台に達するとの見通しも示した。2015年の新エネルギー車販売は33万0192台だった。新エネルギー車は、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車などを指す。
中国の自動車は売れなくなっているわけではなく、伸びが少し落ちているに過ぎない。

緊迫する世界情勢

年始早々世界同時株安となり、サウジアラビアとイランが敵対関係に陥っている。本日発行の株式会社コモディティーインテリジェンスの「週刊経済指標」に載せたが、1月4日の上海株価は1日で▲7.7%下落し、株式20市場の中で最も大きな値下がりを見せ、それがドイツの▲4.1%、フランスの▲3.1%、日経平均株価の▲2.9%、英国の▲2.8%など全世界の株価下落に波及しているが、12月1日から比べると上海市場とベトナム、豪州市場は100を上回っている。つまり、これだけ下落しても中国の株式投資家は12月初めから見てプラスとなっているのであり、8月24日の下落時と同様中国の投資家は株式市場のボラティリティーが高かっただけに過ぎず、決して多くの投資家が大損している状況にはない。ただ、中国が内包する不良債権、不良資産、不良在庫、過剰設備など整理すべき項目は枚挙にいとまがなく、多くの評論家がいずれ問題になると思っている。過去の中国は安い労働力を売り物として労働集約型の安かろう悪かろうという商品で一世を風靡した。しかし、そうした低コスト・低品質の商品はいずれ売れなくなる。中国の輸出は9カ月連続の減少で、輸入は13カ月連続で減少している。こうした経済の停滞は金持ち中国の印象をいずれ一変させるだろう。アジア・アフリカや中南米に見せた中国の資金力はいずれ限界が来るものと思われる。
一方、サウジアラビアとイランの国交断絶は一種の見かけ倒しに終わるかもしれない。国内に反政府勢力を抱き、原油価格下落による歳入不足、歳出削減に不満を抱く国民を抱える双方にとって対外的な緊張感は国民の目を反らす絶好の常套手段である。問題はこれがエスカレートして両国がホルムズ海峡をはさんで戦闘状態に陥るとか、機に乗じて両国内のどちらかに政変が起きるなどという事態に発展すれば、大事となり、その火種は抱えている。
中国も中近東も今後注目し続ける必要はあると思うが、今すぐどうのという事態ではないと思われる。
円高に影響を受けたがNY金価格が上がり、東京金価格も上昇した。金価格は上記の地域やベネズエラ・マレーシア・ロシア・ブラジルなどの産油国経済と共に、金価格の上げ要因となりうる地政学的リスクになる可能性がある。他の商品は、たとえば原油価格は、中近東次第ではあるが、それが張り子のトラであることが分かれば下落基調を余儀なくされるだろう。ただし、本物なら急騰する可能性がある。時に冗談も本気に取られることがあるので注意したい。

過去の記事

Home > 過去の記事 > 2016 / 01

1. 免責事項
  • 掲載される情報は株式会社コモディティーインテリジェンス(以下「COMMi」という)が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
  • 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。
  • 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
  • COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
  • 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
  • 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を保証するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
  • COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。
  • 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。
  • 以上の点をご了承の上、ご利用ください。
2. 商品先物取引の重要事項
商品先物取引の重要事項はこちら >>
3. ディスクローズについて
当社のディスクローズ資料は当社本支店および日本商品先物取引協会(本部・支部またはホームページ)で閲覧できます。
日本商品先物取引協会ホームページ >> [情報開示]
サンワード貿易ホームページ ディスクローズ情報>>
サンワード貿易お客様相談室
<北海道>電話:0120-57-5311  /  <関東>電話:0120-76-5311  /  <関西>電話:0120-57-5311
キーワードで検索
Feeds

Page Top