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過去の記事 - 2012 / 11 -

円安の動きが止まらない

ドル円が11月9日の79.07円/ドルから11月22日82.83円/ドルへ3.76円、約4.8%円安となっている。これを『安倍効果』というのだそうだ。安倍自民党総裁は「インフレ目標(2-3%)達成のために無制限に緩和し、建設国債を日銀に引き受けてもらう」と発言し、また、日本の10月の貿易収支が4ヶ月連続して貿易赤字を記録したことなどが影響したようだ。海外投資家は日本株買いと円売りを仕掛けているという。
「安倍」は「ベア」の反対で、「ベア」は熊が戦う時に上から下へ手を降るという意味で弱気の相場という意味合いである。安倍効果とは、強気を言うものらしい。
お蔭で商品価格は、海外ではそれほど上昇していなくても、東京市場では金等貴金属や原油等石油あるいは、トウモロコシや大豆等穀物も11月初めから軒並み上昇相場となっている。

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ファンドが手仕舞いする時期

11月13日までの週のファンドの建玉は、金は4週連続で売られていたものが、1万1318枚であるが買い戻されている。ネット買い残は19万5千枚となっている。10月9日に24万4千枚だったため、約5万枚の減少であるが、売り手仕舞いは一段落したのかもしれない。しかし、買われている商品は金くらいで、トウモロコシ、大豆、小麦、砂糖、コーヒー等の農産物はすべて売り越しであった。原油も4週連続の売りである。11月はファンドの決算ということもあって、手仕舞い売りが続いているようだ。ユーロも円も売られているが、米国債は5年物、10年ものを中心に買われている。ネット売り残が多いのは天然ガス、ユーロ、大豆油、円の順である。米長期国債も売られている。要するにファンドは一時休暇を取り始めているということであり、例年サンクスギビングデー以降クリスマスにかけて長期休暇を取るファンドマネージャーは多い。それだけに、今後年末までにかけては値動きは荒くなる可能性もある。大口投資家がいないので、小さな売買で価格が動きやすくなるという意味である。

 金は、買いだと思う。米国の財政の崖は、共和党が妥協してある程度減税の延期等は行われるとしても、財政出動が出来ない状況に変わりはない。欧州では、ギリシャ問題が未だにくすぶっている。更に、イスラエルのパレスチナガザ地区への攻撃は、イランの核攻撃を念頭においたイスラエルの非常措置である。ハマスがテルアビブやエルサレムに向けて140発以上のロケット弾を打ち込んだ。完全に射程内に入っている。そのうちいくつかはイスラエルの迎撃で撃ち落とされたが、大半は市街地に到達している。もし核弾頭がついていたなら、今頃イスラエルは存在しないだろう。それはイランのホメイニ氏やアフマディネジャド現大統領が提唱したイスラエルを地上から抹殺するという趣旨にかなっている。イランでは、イスラエルの攻撃に備えて、疎開の準備が始まっているという。世界の波乱は金価格を押し上げる。

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