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過去の記事 - 2019 / 11 -

香港について(その1)

香港は市場の権化である。筆者は英国の統治下の香港に6年間住んだことがある。中国返還前で、天安門事件を香港のテレビで見て、町が騒然となるのを見てきた。
中国について、多くの人が十人十色の表現をするのを、多くの中国帰りの日本人を接待しながら聞いていた。視覚障害者が象を触って印象を語るのと同じで中国には数多くの側面がある。
私の肌で感じたこと香港は、自由で何でもできる市場であり、才覚さえあれば大金持ちになるチャンスがゴロゴロと転がっている所であった。小平は毛沢東が大きな政治的な誤りを犯すところを周恩来と共に、黙って見守ってきた人であり、たいへんな慧眼の持ち主であり、毛沢東亡き後は四人組を葬り、「黒猫でも白猫でもネズミを捕る猫は良い猫だ」と言い放ち、金持ちになれるのなら、遠慮なく金儲けをしなさいという社会主義とは思えないようなスタンスの政治家であった。それだけ当時の中国は疲弊しており、個人所得が低かったため、まずは人民が金持ちになることが喫緊の課題だと思ったのであろう。そこで、小平は深圳や天津等に経済特区を作り、資本主義の企業を優遇して誘致した。そんな中で99年の租借期限が切れる香港とマカオを中国に返還されることになっても、『一国二制度』という賢明は妥協的な措置で、自由で市場の権化である香港を生かす政策を採った。小平は香港の存在意義を見事に見抜いていた。
中国人に香港の役割とは、中国の企業や地方政府が、代表者を香港に送り込み、本土から輸出する商品のキックバックを香港に落とすという役割を担った。中国本土の幹部が香港を訪問すると両手に余る家電製品等を持って帰った。香港本土の共産党幹部にとって、香港はなくてはならない商売の仲介地であった。当時は中国本土の企業と直接取引をするよりは、香港経由で資本主義の法制度の下で中国と取引した方が、外国人にとってははるかにやりやすかった。そのため、世界の巨大な商人が寄り集まる場所となり、香港をハブとして中国や韓国、北朝鮮、フィリッピン、マレイシア等との大規模な取引が行われていた。華僑の膨大で安全なネットワークにより信用のおける取引が香港では行われていた。

またもう一つの大きな香港の役割は、所得税が最大16%までの累進課税であり、香港の税務署にはほとんど人がいないので、香港の人々はほとんど税金を払っていなかった。筆者の駐在中に、所得税が18%から16%に引き下げられたので、香港政庁の人になぜ低い税率を下げるのか聞いた所、税率を下げれば下げるほど税収が増えて、香港政庁はその予算を使いきれないと優雅なことをおっしゃった。それだけ、世界中から香港に資金が集まってほぼ無税の収益を享受していたものである。香港の人はどんなに貧乏な人でも当時の金で2千万円のキャッシュは誰もが持っていると言われたものである。彼らの考える利益というのは、日本人がイメージするものとは一桁単位が異なる。筆者は独りで、全世界の非鉄金属の駐在員の誰よりも多くの収益を上げていた。それだけ大きな利益の商売のチャンスがある土地であった。(以下次号)

商品価格の予測は相対的に簡単である

投資には様々なジャンルがある。身近なところでは、株式投資、為替取引があり、少し専門的になると債券投資・不動産投資等がある。価格が動けば何でも良い。基本は安く買って高く売ることで利益が出る。どちらが先でも構わない。株式は現物投資のため、空売りをするときは株を借りてくる必要があり、日歩と呼ばれる金利がかかる。
その点商品先物投資は売りからでも買いからでもコストは同じである。従って収益機会は現物投資の二倍ある。
 どの投資でも問題は価格の予測が可能かどうかという点である。競馬の馬券を買う場合の血統とか、重馬場に強いと馬とか、ジョッキーが熟練である等の予測要因はあるが、十数頭が競う中で予想を的中させるのはかなり難しいであろう。これがルーレットやサイコロの出目などになると皆目予測はつかなくなる。
 株価の場合はどうであろうか? 企業業績というものは対象企業に勤務している社員ですら、なかなか予測は付かないものである。自分の部局が儲かっていても、どこかで大損する部局があるかもしれない。現在生産している商品はいずれ商品寿命が来るかもしれない。企業が大きくなればなるほど、収益予測は難しくなる。ましてやその企業は何をやっているのかを詳しく知らない外部の人間が企業価値の増減を予測することは簡単であろうか? 
 数年前にインターネットの発達によりGoogleやFacebookが巨額の収益を産むことを予測した人はどれだけいるであろうか。
 産業の将来を予測することは、ある程度時代の流れを読めば可能かもしれないが、その産業の中でどの企業がリーダーになるかを予測することはかなり困難だと思われる。ましてや、日夜世界中の政治経済の動きがそうした企業価値以外に株価を動かす要因となり、外人投資家がどの日本株を買うのかを知ることはほぼ不可能であろう。
 ドル円はすでに50年近く見ているが、ドルが強くなるか円が強くなるかの予測が出来たことはほとんどない。結果論では言えるが、今円高になるのか円安になるのかと問われると返答に窮することになる。ましてやなじみのない為替の予測はサイコロの目と同様になる。
 何が言いたいのかというと、こうした株式投資等よりも商品投資の価格予測の方がはるかに論理的であり、価格予測が簡単だということを筆者は体験的に知覚している。商品の価格は需給で決まる。金の需給は需給以外の要因もあるので少し難しいが、原油や穀物等は豊富なデータがあり、需要と供給が半年後に
どうなるかはある程度予測可能である。来年7月から証券会社で商品先物取引が取引可能になる。世界に大きく後れを取っている日本の商品先物取引が多くの投資家に理解されて発展することを望んでいる。

年に一度か二度

多くの投資家は、資金があるため、それを投資したがる。お金のない人はそれ程投資に興味が沸かないが、突然大金が入ったりするとそれを殖やしたくなるものである。周囲には利殖で大儲けした人の話題が転がっている。自分もあやかりたいと思うのが人間の常であろう。
そうした投資家は、投資の回数を増やせば利益は倍増するかもしれないという根拠のない信念を持ちたがる。投資するには時間が足りないので、投資の回数を増やせばそれだけ当たる確率も増えるだろうと錯覚するのである。だから、大きな資金を持った人はデイトレーダーになる人が多い。
数学には大数の法則というのがあって、回数を増やせば増やすほど平均に近づくというものである。勝ち負けは平準化して結局手数料分だけ持ち出しとなる。また回数を増やせば増やすほど、大きく負ける確率も増えるので、大きく勝って投資から引き揚げることができる人は良いが、まだまだこの程度ではと更に投資を続けると、結局大負けの時に資金が尽きることになる。大金といってもそれほどの大金ではないからだ。
私の知っているファンドマネージャーは年に2度しか投資しない。彼に言わせれば、絶対おかしいと思える機会は、年に一度か二度しか訪れないのだそうだ。価格が上がり過ぎとか下がり過ぎと思われる時で、かつ、上げの勢いが少し弱くなった時が狙いどころであろう。勢いとは出来高とか、価格上昇の背景にあった根拠の威勢が殺がれ始めた時のことをいう。
パフォーマンスの良い投資家は、ほとんど投資をしない人であるかもしれない。
大金を稼いだ人はさっさと市場から立ち去り、その資金で他の事業を行ったり評論家になったりする。私の知っている35歳で億万長者になったシカゴの債券トレーダーは、1日2千万ドルの債券投資をある日突然止めて、CBOTの入っているビルのオーナーになっている。

商品投資の三つ目の注意点

新聞記者から商品先物取引を行う時の注意事項について、前回の2点以外にもう少しないかとの質問があった。いろいろ考えたが、同じようなことではあるが、「投資回数を減らすことだ」と述べておいた。

価格が上がると思って何かを買うのが投資である。しかし、投資家は、のべつまくなしに投資したがる。実際に価格が上がると思う時は年に1〜2度しかない。

例えば、価格が急騰してかなり上昇しているが、そろそろ終わりに近づいたと思われる時は肌で感じるものである。天井を取ることはかなり難しく、現在のパラジウム価格のようにまだまだ上がる可能性があるので、単に高くなったら売りと言い切れるわけではないが、上昇の勢いが徐々に薄れてきた時は、売りであろう。パラジウムの場合は元々出来高が少ないので、そうした勢いを見る指標がないため、市場が薄い商品は手を出さない方がよい。
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一方、昨年の東京金価格は、8月に安値を付けている。この時は米国で利上げが2015年12月から9回あり、金価格は利上げのたびに下押しされていた。
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しかし、そろそろ利上げは打ち止めだという雰囲気があった。その時に金を仕込んでいれば4200円で買えていた。結果論ではあるが、数年に一度の金の買い時であった。当時私はあるセミナーで金は買いですと述べたが、みな半信半疑であった。多くの人が疑うような時こそ、買い時である。

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