商品相場専門のアナリストが、独自の視点で最新の相場動向を分析! 先物投資で利益を上げるためのコツとファンダメンタルが学べます。株式、為替以外をポートフォリオに!と考えている投資家にもおすすめです。

Home > 過去の記事 > 2019 / 03

過去の記事 - 2019 / 03 -

市場内部要因分析

『市場内部要因分析』
価格を予測する方法には『ファンダメンタル分析』『テクニカル分析』と共に『市場の内部要因分析』がある。

市場は売りと買いが一致する勢力図で価格が決まっている。昔あったゴムの立ち合い場では、演壇に立った取引所の職員が、階段状の机に座った取引員の代表者が手を振る数を数えて売りと買いの手が揃ったところで価格を決めていた。現在はそれをコンピューターシステムの中で行っているが、メカニズムは同じであり、売り買い同数の価格を現在の価格と認識する。ザラバであれば、一刻一刻その価格は動いていく。ザラバとは取引所での競(せり)売買により値段を決定(約定)する方法の一つで、多数の売り方と買い方が値段を競い合い、値段と数量が合致したものを個別に成立させる方法のことを言う。ザラバ仕法は一定の取引時間内に出された注文を「価格優先・時間優先の原則」にしたがって順次(連続)に約定させていく。売り買いの差は成り行き注文が埋めていく。

市場内部要因とは、誰が何枚の買いを出し、誰が何枚の売りを出しているかという市場参加者の顔ぶれとその動きを追うものだが、残念ながらすべてがコンピューターで行われている現行の取引では、臨場感のある売買動向はわからない。また東京商品取引所では個々の取引員の売買状況を公表しておらず、取引終了後に公表する上位10社の売買高程度しか情報はない。

米国ではCommodity Futures Trading Commisionが毎週金曜日午後3時半に公表するCommitments of Traders(COT)Reportsというものが週一回日本時間では土曜日の朝に最新のものを見ることが出来る。最新と言ってもその週の火曜日のトレーダーの売買ポジションがわかるだけであるが、後付けで大口トレーダーが何をどれだけ売買しているかを数値的に見ることができる。これを筆者はファンドの建玉と呼んでいる。これらのデータはFCM(先物取引業者)、クリアリングメンバー、外国のブローカー及び取引所が寄せられており、取引者のカテゴリーごとに分けてその建玉(Open Interest)、買い残、売り残が公表されている。カテゴリーは数種類に分かれており、先物とオプション、指数取引の分類があり、筆者はFutures and Options Combined Reportを集計している。一枚のエクセルのシートだけで、256の市場が書いてあり、商品から金融商品、為替等の市場がある。また、取引者のカテゴリーはNon Commercial(当業者以外)とCommercial(当業者)がある。筆者は26市場のNon Commercialを毎週土曜日の朝集計している。
金や原油、穀物等の商品ごとのレポートにはできるだけ最新のファンドの建玉の動きを記し、火曜日発行の週刊経済指標には、26市場の過去2ヵ月ほどのネット買い残の動きを表にして記しているが、これらはすべて過去のデータであり、最新の数値でもすでに1週間以上は経過している。その間に価格が乱高下すれば、ファンドのポジションは当然大きく変わっているはずで、その結果は翌週にしかわからない。従って、多くのファンダメンタル情報同様、データは過去のものであって未来を予測するものではない。過去の相場を語ることはできても、未来を予測するには正に想像するしかない。
ファンドの建玉を使って価格の予想が良く当たるのは過去最大の買い残とか、過去最大の売り残を記録している時である。そうした行き過ぎが修正されるのは相場の常である。
買い残が積みあがっていれば価格は下がりやすいが、明日下がるという保証ではないが近い将来価格は反転するだろうと言う程度の予測は言えるだろう。だが、過去最大は次々と更新することもあり、また過去最大が現れるのはかなり異常な時であり、めったにお目にかかれるものではない。


季節要因のある商品価格の検証

商品価格にどれほどの季節性があるのか。1984年1月から2019年2月までの422ヵ月で、前月比上昇した月と下落した月を、NY原油とシカゴトウモロコシについて調べてみた。
結果は、以下のグラフとなる。
原油は7月に上昇したのが最も多くなっている。次いで3月2月と春先、および4月と8月の順になる。
一方原油価格が下落したのは、10月と11月である。
敢えてその背景を考えると、夏場はガソリン需要が多くなり、原油の需要が多くなる時期であり、4月と10月には石油精製設備の定期修理があるため、10月に原油需要が減少して下落したと言えるかもしれない。


null

null


また、シカゴトウモロコシ価格が上昇したのは、7月が多く、おそらく天候異常が起きた時であろう。次いで3月と2月という未だ何もわからない春先に買われていることがわかる。
下落したのは、6月が最も多くて、次いで7月、その次に4月と9月がある。このデータで見ると、ハーベストプレッシャーで下がるというよりも、6月にその年の夏が高温乾燥にはなりそうもないといち早く判断して売られる方が多いということがわかった。7月は上昇も下落も多い月となっているので価格の分水嶺として異常気象なら上昇し、何もなければ下落する月であろう。

null

null







季節要因のある商品価格

商品価格には季節性があるものがある、その代表的なものは穀物価格だる。北半球では作付けは4月から6月であり、作付けに向けて、何を植えるかを決めねばならない。2月頃に種苗企業から種を購入する。したがって12月から2月頃の穀物間の価格差がその年の作付け量を左右する。高い方、あるいは高くなりそうな方を農民は作付けする。作付けが多いとその後の価格は下がる。3月末にUSDA(米国農務省)から公表される作付け意向面積は一つの目安となり、それを予想して価格は動き、その結果でまた価格は動く。
作付けしても立派に生育するとは限らない。作付け時に大雨が続くと、種が流されてしまう。また種まき作業が遅れる。トウモロコシの作付けの方が大豆よりも早くから行われる。トウモロコシの作付けが遅れると、大豆に切り替えるので、その後の大豆価格が下がってトウモロコシ価格は上がることになる。逆にトウモロコシの作付けが早すぎると、遅い寒波襲来によって霜が降りるとトウモロコシは発芽しなくなることもある。
6月頃に作付けが完了すると、7月初めの天候を待つことになる。高温乾燥となると受粉がうまくいかないので干ばつは価格を押し上げる。また大雨が降って洪水となれば、作付けしたトウモロコシは流されてしまう。
毎年2月から3月頃に今年は干ばつになるかもしれないと一種の賭けに出る投資家もいる。だから2月から6月頃までは価格が上昇しやすい。実際に干ばつになれば、7月初から月末にかけて価格は急騰することもある。
何もなければ、手じまい売りとなるが、それでも2月や3月の価格よりは高いことが多い。
 収穫が順調だと価格は下落する。毎年トウモロコシも大豆も8月末から9月初にかけてはハーベストプレッシャーと言って収穫時の下落となる。この時期はショートポジションを持つ人も多い。
10月頃からは南米の作付けが始まる。北半球と逆転した季節要因が当てはまる。4北半球の4月は南半球の10月、7月は1月である。エルニーニョやラニーニャによる気候変動は、北米よりも南米で影響を受けやすい。
エルニーニョとは南米チリ沖の海面水温が上昇することで、ラニーニャはその海面水温が冷たくなることである。海面水温が高いと大雨が降りやすく、冷水なら寒い夏となりやすい。3月の今頃は南半球では収穫の真っ最中である。3月から4月にかけて南半球から輸出が行われる。
このように、価格に季節要因があるのは、農産物だけではなかろうか。

過去の記事

Home > 過去の記事 > 2019 / 03

1. 免責事項
  • 掲載される情報は株式会社コモディティーインテリジェンス(以下「COMMi」という)が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
  • 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。
  • 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
  • COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
  • 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
  • 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を保証するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
  • COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。
  • 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。
  • 以上の点をご了承の上、ご利用ください。
2. 商品先物取引の重要事項
商品先物取引の重要事項はこちら >>
3. ディスクローズについて
当社のディスクローズ資料は当社本支店および日本商品先物取引協会(本部・支部またはホームページ)で閲覧できます。
日本商品先物取引協会ホームページ >> [情報開示]
サンワード貿易ホームページ ディスクローズ情報>>
サンワード貿易お客様相談室
<北海道>電話:0120-57-5311  /  <関東>電話:0120-76-5311  /  <関西>電話:0120-57-5311
キーワードで検索
Feeds

Page Top